天からのこの御方は、人がそうなるように神が意図されたものを代表しており、その具体化であって、それを包括しておられます。一方にはこの被造物がありますが、他方において――「御子のかたちに同形化され」、復活において御子のようにされて、霊的に内側で異なる者とされます。そうです、しかし今は胚芽にすぎません。胚芽とは何かご存じでしょう。胚芽には命はありますが、まだ発達しておらず、完全な意識を持つ命ではありません。次第に発達して行き、意識が成長して行きますが、最初はそうではありません。再生された時の私たちも同様です。命を持ってはいますが、この命の意義をどれだけ意識して理解しているというのでしょう?ほとんどしていないのです!この地上には数百万という主の民がいますが、自分が救われた目的や、神が自分を救って下さったこの偉大な目的を意識している人は、その中にどれくらいいるでしょう?彼らは再生されたので命を持っていますが、この命は胚芽的な命にすぎません。というのは、その意義の意識が大いに制限されているからです。しかし、この命が成長するにつれて、自分が再生された目的をますます意識するようになります。若いクリスチャンたちは熱意、活動、力に満ちているかもしれませんが、もし力だけで理解に欠けるその地点にとどまり続けるなら、成長していないことになるのです。小さな赤ん坊はみな、僅か数時間であなたをうんざりさせてしまいます!子供のすることを真似して、それにどれくらい長く耐えられるか試してみなさい!子供には命や力はいっぱいありますが、知性はあまりありません。成長の真のしるしは力だけでなく、知性です。ですから、霊の命の真の発達過程とは、自分が召された目的、自分が救われた目的、自分の内に起きたことの神聖な意義の何たるかを、ますます理解して知るようになることなのです。このように成長している人は比較的少数しかいません!

 さて、最後には全く成長した人、キリストの完全な身の丈に到達した人が現れるでしょう。そして、子たる身分に完全に到達するでしょう。なぜなら、子たる身分はキリストにあって安全に守られており、遥か昔に十字架によりキリストにあって確保されたからです。

 しかし、神が永遠の過去に御子にあって確保して計画されたことと、その究極的実現との間には、生まれながらの私たちがいます。私たちは神の御思いにかなう者ではありませんし、さらに悪いことに、私たちの内にはそうなる力もありません。たとえ人間中心主義者が何と言おうと、またいかなる偽りの信条がはびころうと、この事実に変わりはありません。今世間には、「神は万物の父であり、人類はみな兄弟です。人は啓蒙と教育を受けさえするなら、自分の力で自分を救うことができます」といった類の偽りがはびこっています。それにもかかわらず、人がそうなるよう永遠の昔から神が意図してこられたものになる力は、私たちの内にはありません。最近の歴史に照らして見る時、人は何と盲目なのでしょう、「数千年の時を経て、人は神に近づいている」という信条をなおも保持しているとは!私たちは初めからすこしも神に近づいてなどいません。神は必ずそのような類の盲目をすべて滅ぼされます。しかし、人々は盲目であり、依然としてそのような信念にしがみついています。この徹底的に堕落した領域では、そうした信念はそう簡単にはなくならないのです。しかし、希望はどこにあるのでしょう?この両者の間に十字架は立ちます。十字架は永遠のものを守るだけでなく、天的なもの、このまったく「別の」ものをも守ります。一方において十字架はありのままの私たちを担い、他方において神の御旨の実現を確かなものとして、両者を共に十字架につけられたこの人にもたらします――この御方は復活により、人がそうなるべき者の最初の者になられました。この方は十字架によりそうなられたのです。主イエスの十字架、十字架に付けられたキリストは、この別の種類の人を確保します。そして(これまで述べて来たように)私たちは再生される時、この新しい体制に属する胚芽的命を受けます。キリスト・イエスにある御霊の命の法則に従いさえするなら、私たちはこの同じ形に変えられ、造り変えられ、成長してあらゆる点で彼に至ります。私たちは少しずつ彼に似た者となり、次に、彼が私たちのために最後に介入されるあの大いなる日、「私たちは彼のようになります。なぜなら、私たちはありのままの彼を見るからです」(一ヨハネ三・二)。私たちはみな変えられます。そして、この朽ちるものは朽ちないものを着、死は勝利のうちに飲み尽くされます(一コリント十五・五十三~五十四)。十字架がこれを成し遂げます。十字架は何と偉大なのでしょう!


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