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「イエスを死人の中から復活させた方の霊が、あなたたちの中に住んでいるなら、キリストを死人の中から復活させた方は、あなたたちの中に住んでいる彼の霊を通して、あなたたちの死ぬべき体をも生かしてくださいます。」(ローマ八・十一)


 体の贖いはキリスト教の真理として受け入れられています。クリスチャンの間の主な違いは、その適用範囲に関するものです。多くの人は、私たちの贖いのこの部分は、現在の時代の終わりに、私たちの主が来臨される時、携挙と復活というかたちでのみ実現される、と信じています。他の人たちは、現世で将来の復活の力をある程度先取りすることができること、また、天の前味わいをするのと同じように、この地上でも自分の救いのこの部分を前味わいできることを、信じるよう導かれてきました。

 これが、私たちの体における聖霊の働きに関して、いくつかの個所で使われている「初穂」や「担保」という言葉の意味するところであると、私たちは信じています。担保とは、後で完全なかたちで与えられるべきものの最初の分割払い、現物保証のことです。私たちの霊的な未来の担保として、聖霊は私たちの霊の中に天の栄光の前味わいを与えてくださいます。しかし、からだの復活の担保として、聖霊は私たちの死ぬべき体にキリストの肉体の命を与えてくださいます。そして、来るべき時代に栄光の体で無限に豊かに享受することになるものを、私たちに受け取れる範囲内で、私たちの現在の物質的体に前味わいさせてくださるのです。

 この偉大な真理の予兆を、堕落の物語に見ることができます。罪の結果、人は直ちに、不死の肉体の象徴であり源である命の木から引き離されました。しかし、永続する肉体の命のこの供給がやんだとはいえ、永遠に絶たれたわけではありません。というのは、神はエデンの門の所に、御前に近づくための輝かしい手だてを設けられたからです。その手だてはケルビムと炎の剣として描写されており、その炎の剣は命の木への道を守るためにあらゆる方位に回転していました。ケルビムと剣というこの象徴的絵図は神の裁きの象徴であるとは信じられません。むしろ、神のあわれみの象徴なのです。ここで使われているヘブル語の動詞はシェキナであり、文字通りには、彼はケルビムと炎の剣をシェキナされた、と訳されます。ご存じのように、後の幕屋の象徴で再登場するシェキナとケルビムは、神のあわれみとイスラエルとのエホバの契約の印でした。炎の剣は超自然的な光、おそらくはシェキナそのものだったのであり、神の臨在と礼拝に臨む祝福とを示していたのである、と考えざるをえません。

 私たちがこれまで恐怖や嫌悪の対象としてきたものは、堕落した人のために開かれた最初のあわれみの門だったのです。それは命の木の道を守るためだったという文意は、「守護する」という言葉を用いた方がより適切に表現できるかもしれません。それは命の木への道を守護して、それに導くものでした。この木から罪深い人は天然の面では遠ざけられましたが、今や、より高度な恵みの面に基づいて近づくことができます。肉体の命は堕落によって失われましたが、偉大な贖いによって取り戻すことができるのです。あのケルビムの印は、この贖いの輝かしい象徴だったのです。

 私たちは今、失われた力を取り戻すことができます。天然によってではなく、超自然によってです。エデンの労苦や肉の努力によってではなく、私たちの贖い主であり生けるかしらである主イエス・キリストによってです。


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