御言葉:「ですから子があなたたちを自由にするなら、あなたたちは確かに自由なのです。」ヨハ八・三六

 現在人々の間に最も広まっている一般的な幻想は、自分たちは自由であるという考えである。隷属や束縛に関する非難ほど、迅速かつ熱烈な憤りを引き起こすものはない。自由な人は一人もいない。神に感謝すべきことに、数百万の人が解放の過程の中にあるが、まだ一人として完全には解放されていない。

 パウロはローマの隊長に、自分は自由人に生まれたと告げた。彼がこの言葉を用いた限られた意味においては、それは真実だった。パウロはローマ市民だった。しかし、他のあらゆる重要な意味においては、この言葉は真実ではなかった。パウロ自身が真っ先にこれに同意するであろう。

 私たち全員と同じように、パウロは諸々の束縛を受け継いだ。何世紀もの間、あの神秘的な力である遺伝が、黙々と目にとまらぬように、彼に対する諸々の束縛を備えてきた――霊、魂、体に対する諸々の束縛を備えてきた。この世に生まれるどの魂も、ある見えざる網の中へと生まれ落ちる。その網は、何世紀にもわたって、その魂のために編まれてきたものである。その網の目とは民族的性向、民族的慣習、家族的習慣、罪、公的宗教、そして言い伝えである。

 この節の御言葉を語った時、キリストが語りかけておられた人々のことを考えてみよ。「私たちはアブラハムの子孫であって、決して誰の奴隷にもなったことはありません」。われわれがわれわれの自由について誇る時にそうするように、彼らは十分誠実に語った。しかし、その当時、彼らは政治的・知的・宗教的束縛の中にあったのである。

 政治的に、彼らはカエサルからヘロデやピラトにまで至る独裁者たちの一団の束縛下にあった。道徳的に、彼らは民族的高ぶり、偏見、無知、罪、自己意志の奴隷だった。宗教的に、彼らは伝統主義、偏見、形式主義の奴隷だった。


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