宗教家ではあるがクリスチャンではない

 彼がただの宗教家でクリスチャンではなかった時、彼はたるんだ者でも弱々しい者でもなかった。自分がその中で育てられた伝統主義の大敵がこの新しいものであるキリスト教であることを、彼は見た。そして、彼の傲慢な意志は、彼をキリスト教に対する戦いの最前線へと追いやった。彼を「サンヘドリンの乱暴者」としたのである。

 何ものも彼を阻止できなかった――婦人の涙、年寄りや若者の嘆きも、彼を阻止できなかった。彼はクリスチャンの男たちや女たちを投獄した。そして、彼らを石打ちで死刑にするかどうかが問題になった時は、彼は彼らに不利な票を投じた。パウロは決して中途半端な人ではなかったのである。

 彼の中には、彼をしてどちらか一方の側につかしめる十分な知的活力と命があっただけではない。彼の中には、彼の願いを可能ならしめる意志の力もあったのである。

 しかしここに、彼にはなしえない簡単そうに思われるものがあった。しかし今、彼は自分の決意の力では達成不可能な或る理想を前にしていた。「善いことをする意志は私にあります」と彼は言う。「しかし、それをどう行えばいいのかが分かりません」。彼の意志は彼を霊性へともたらせなかったのである。


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