奉仕の基礎

 さて、三番目の面から始めることにします。ヤコブについて熟考する時、私たちに強い印象を与える彼の特徴は、その極めて活発な性質だと思います。知性、頭脳、機知の活発さ、意志の活発さ、取り引きや執行における活発さだと思います。活発に常に警戒しており、常に行動しています。常に好機や機会を窺っています。彼の生涯はまさに活動の生涯です。にもかかわらず、彼は高遠なものに目を留めています。そうです、神の事柄に目を留めています。もしそうでなければ、ヤコブには救いとなる特徴が何も見あたりません。彼は神聖な事柄の卓越した価値を認識していました。それゆえ、彼はその地位を得たのであり、それに基づいて神は働くことができました。これは、神の働きの基礎となるものが、もし人の中に何かあるとするならばの話です。この生得権――彼はその性質、範囲を理解していました。その意義、それが自分をどこに導くのかを知っていました。彼は神聖な事柄を重んじる価値観を持っていましたが、彼の兄エサウはそれを持っていませんでした。彼がベテルにやって来て、そこで夢を見て、朝起きた時、「確かに神はこの場所におられます(中略)この場所は何と恐ろしいものでしょう」と彼は言いました。そして、彼は夢を実際的な形で表現し、柱を立ててそれに油を塗り、その場所の名をベテル、神の家と呼びました。

 ヤコブと共に進み続けるとき、厭うべきものがたくさんあるにもかかわらず、彼の生涯における大きな一歩はどれも、神の事柄に対する認識、霊的識別という印を帯びていることがわかります。彼の心は正しい方向に向かっています。彼の考えは正しいものでした。問題は彼の知性と彼の意志にありました。目的は正しいものでしたが、それに到達しようとした道がことごとく間違っていました。このようにヤコブを分析するなら、間もなく、命と死というこの問題における彼の意義に到達するでしょう。覚えておられると思いますが、彼は自分の機知や狡賢さによって祝福の権利を獲得しました――確かにそうなのですが、彼の霊的知覚という事実を見落としてはなりません――それにもかかわらず、この権利を獲得するのに用いたものが徹底的に対処されて終わらされるまで、彼は決してこの祝福に与らなかったのです。祝福の道の中にあることと、心が神の目的と神の最高の御旨の方向に向かっていることとは、まったく別のことです。その価値を認識してその道に一歩を踏み出してから、それに到達するまでの間には、除き去られるべきものがたくさんあるかもしれません。私たちが見てきたものと密接に関係している命に到達できるようになるには、その前に死の働きが大いに必要なことが判明するかもしれません。私たちは命を見て、それに向かって手を差し伸べ、それを得ようと奮闘し、それに到達するために自分の人間的な力をすべて傾けて最善を尽くしますが、決して到達できません。私たちに対する神の御旨であるものに到達するには、その前に何かが私たちの中になされなければなりません。私たちの中の「ヤコブ」が対処されなければならないのです。それは、私たちが「イスラエル」の地位に着くためです。神の事柄にまつわるあの自己の力、あの機知、あの自己の能力は屠られなければなりません。そして、神の御旨に達することができるのはただ神の力のみによること、神の御旨を成就するための能力は私たちの中にはなく、ただ神の内にのみあることが、自分にとって完全に明らかになる地点、これを他のなにものにもまして理解する地点に、私たちは達しなければなりません。

 さて次に、命の法則の作用としてただちに生じるもの、奉仕の第一の法則がわかります。なぜなら、これをヤコブの活動や力は表しているからです。働き、奉仕、行動、どれも神聖な事柄が目的です。奉仕の第一の法則は従順です。ヤコブの場合に明らかな点があるとするなら、それはこれです。他方、彼は他の誰よりも行動の人、活動の人、奉仕の人として傑出しています。彼はラバンのために七年間の二つの期間のあいだ奉仕しました。この奉仕には彼の人生のかなりの時間がかかりました。彼は常に行動している人であり、彼の物語の最初から活動的です。そうです、他の事柄と同じように明らかな点とは、従順はヤコブが学ばなければならない学課だったということです。これは聖書に記されている他の事柄と同じように理解するのが簡単です。彼の生涯の一大転機――この転機ではすべてが神の御旨にしたがって展開しました――は、神の指の接触の下で彼が遂に従順の立場を取った時でした。これが起きない限り、彼はベテルに戻ってそこに住むことはできなかったのです。


オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館
オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館へ

コメント
トラックバック
トラックバックURL
コメントフォーム
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
全記事表示リンク
検索フォーム
個人のブログに関するリンク集
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

電子書籍
Glorious Secret
ジェシー・ペン-ルイス
「栄光の奥義」


The Cross of Christ
アンドリュー・マーレー
「キリストの十字架」


ランキングサイト
にほんブログ村 哲学・思想ブログ キリスト教へ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 聖書・聖句へ

人気ブログランキングへ ブログランキング

ブログのまどランキングへ ブログ王へ

ブログランキング【くつろぐ】

QRコード
QR
カウンター

Page Top
Powered by FC2 Blog | | Template Design by スタンダード・デザインラボ