さて、しかし、一つの困難が生じる。この力の欠如をわれわれは嘆き悲しんでいるが、このようにキリストに結合されている人々でもこの力に欠けているのである。すべての力の源との生き生きとした合一の中にある人々の中に見られるこの欠け目を、われわれはどのように理解すればいいのだろうか?

 まずは次のことを心に留めようではないか。すなわち、どの信者についても、力が全く無いとは決して述べられていないのである。神の子らはみな、ある程度の力を持っている。命があるところには、力がある。それは最も低い形の命かもしれないが、命が少しでも存在しているなら、どれほど弱々しくても、そこにはいくばくかの力も存在するのである。

 しかし、今われわれが述べているのは勝利する力についてである。罪に対して戦ってある程度抵抗するだけの力ではなく、誘惑のあらゆる波に対して立ち上がって勝利する力、悪しき者のあらゆる攻撃に効果的に立ち向かって、神の恵み・十全性・忠実さを勇敢に証しする力である。

 この意味で、合一が存在しているにもかかわらず、なぜ力が不足しているのかを、われわれは理解することができる。

 腕が萎えている一人の人を見よ。その手と体との間には合一が存在する。しかし実用上、そこに行動や奉仕のための力は無い。それゆえこれは、多くの信者とすべての力の源との間の状況――合一が存在していても力が無い状況――の絵図である。

 これにより、さらに核心へと近づく。キリストとの合一の中にある人々において力が現れるのを妨げるこの妨げとは何か?われわれはみなやむをえず諸々の制約に服している――これらの制約はわれわれの道徳的・身体的成り立ちと不可分である。われわれは有限な被造物であるという事実のゆえに、諸々の妨げが存在する。

 神の力は無限だが、われわれの容量は限られている。いくら成長して霊的に前進したとしても、神の豊かさに等しくなるほどわれわれの容量を拡大することはできない。それゆえ、諸々の制約が生じる。しかしこれらの制約は、われわれが述べている力に対する妨げではないし、取り除かれるべき障害でもない。われわれの容量は決して無限にはなりえないが、絶えず増し加わること――想像できないほど拡大すること――は可能である。例えば、次のような御言葉を見てみよ。「それはあなたたちが神のあらゆる豊かさをもって満たされるためです」。私が持って行く容器は空かもしれないし、あるいは、他のもので部分的に満たされているかもしれない。最悪なことに、私はその口を自分の手で塞いでいて、それによって水が流れるのを邪魔しているかもしれない。その場合、問題は供給の十分さではなく、受け取り手の状態である。それゆえ、たとえ備えが無限であって、その容器を泉と結ぶ経路が確立されていたとしても――合一が存在していたとしても――それでも、力の流れが流れ込む妨げがあるかもしれないのである。それでは、この妨げとは何か?

 この大きな妨げ――他のすべての妨げの根幹――は不信仰である。われわれは自分の不信仰によって神を制限しているのである。われわれをキリストとの接触にもたらすわれわれの存在中の道筋が狭まって、力が流れ込むべき器の容量がとても小さくなっているのかもしれない。それは不信仰の恐ろしい影響のためである。神の力で満たされるには、われわれの信仰は成長しなければならない。われわれの信仰を増すものは何でも、われわれの容量を増し加え、われわれの存在中の道筋を神に対して開く。そして、力が流れ込むのである。

 しかし、理論的な力について考えたり、力のことを神から受けて神から離れて持つことのできる資質と見なす代わりに、力は主御自身と不可分であると考えた方が、力が現れる条件を理解する助けになるだろう。「主の目は全地をあまねく行き巡り、その心が神に対して完全な者たちのために、御自身の強さを示される」(二歴一六・九)。私は弱いが、神は私にあって御自身の強さを示して下さる、という真理を認識する代わりに、私は自分が強くされるのを期待しているのかもしれない。私にあって神の力が現れることではなく、自分自身の中にある力を経験することを期待しているのかもしれない。主は、その心が神に対して完全な者たちのために、御自身の強さを示して下さるのである。


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