霊的特権はみな条件付きである。「豊かな命」の条件は、罪に対して死なれた方の思いにあずかる者となって、その心構えで武装することである。これは単独の経験、一度きりの行為ではなく、心構えである――つまり、絶えず維持して、ますます深めて行くべき霊的条件である。

 それゆえ、われわれは生きるために、あるいは自分の力を増すために、力を費やしてはならない。われわれの内におられる生けるキリストが、御自身の力を示し、御自身の命を現わして下さる。そこに活力の不足はない。しかし、われわれがなすべきは、自発的に死に服することである――そしてこれは、自分自身の直接的努力によるのではなく、かつて罪に対して死んだが今では神に対して生きている御方の心にわれわれがあずかることによる。

 キリストが十字架の上で罪に対して死なれた時、われわれはキリストと一体化された。この事実を理解するとき、しばしば、信者の経験と実際の歩みの中に極めて突発的な決定的結果が生じる。それは以前の人生の行路から、突然われわれを切り離す。そしてわれわれは、罪の力と働きからの輝かしい解放を見出す。しかしこの効力は、突然の瞬間的なものではあるが、漸進的・継続的働きが後に続く。キリストと共なる信者の死とその諸々の結果の最初の理解の後、今や心と思いを十字架に付けられたキリストと同化する深い働きが続く。罪に対する彼の死の中で彼との調和のなかにさらに完全にもたらす働きが続く。

 そしてこの働きが深まるにつれて、死に行くキリストとの一つをますます現実に経験するにつれて――生ける、復活した主は御自分の力を現わして、魂を御自分の豊かさで満たされる。信者の真の命――すなわち、信者の内におられるキリストの命――は、その時、死の中から絶えず湧き上がる命である。「私は日毎に死にます」は、使徒がこの言葉をどのような意味で用いたにせよ、深い意味を持つ宣言である。

 われわれがキリストの死の中で実際にキリストと一体化されるとき、彼の命の現われを妨げるものはすべて取り除かれる。他のいかなる方法も、これを取り除くことはできない。われわれ自身の努力ではこれを成就できない。われわれがいくら決意しても、それを発効させることはまったくできないし、われわれは絶望の中に残されるだろう。

 しかし神は、妨げを取り除くことができる力を、われわれに与えて下さっている。この力はキリストの死である。この死の恩恵にあずかるには、われわれは服従してこの死に同形化され、罪に対して死なれた御方との実際的調和の中にもたらされなければならない。十字架においてのみ、われわれを暗闇の権威から解放して神の愛する御子の王国の中にもたらす力を、われわれは見い出す。それゆえ、この死の中でわれわれは、われわれを自己の命から分離して解放された状態に保つ力をも持つ。

 「キリストの血」はキリストの死と、分離する死の効力と同義である。この「キリストの血」を取るとき、血がすべての罪からわれわれを常に清めるのはいかなる方法によるのか、われわれは理解できるようになる。神が光の中におられるように光の中を歩むことが、罪からのこの継続的分離に必要だが、その必要性をますます深く絶えず感じるようになる。しかし、この必要は神の供えによって満たされる。そして、あらゆる種類の罪から分離するこの死の力を、われわれはますます意識するようになる。そしてそれゆえ、信者と神との間の交わりは維持されて、経験の中でますます大きな現実となって行くのである。

 これは霊の命の中にある「自由の法則」の別の面をわれわれに示す。


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