アロンとその子たちの聖別の中に、われわれはこれらの偉大な原則が素晴らしく明確に予表されているのを見る。

 神はモーセに命じられた。「そしてあなたはその雄羊を屠り、その血を取って、アロンの右の耳たぶと、その子たちの右の耳たぶとにつけ、また彼らの右の手の親指と、右の足の親指とにつけ、その血を祭壇の上と周囲の側面に振りかけなければならない。また祭壇の上の血から、また塗り油から取って、それをアロンとその衣に、また彼と共にいる彼の子たちとその衣に振りかけなければならない。彼とその衣、および彼と共にいる彼の子たちとその衣は聖別される」(出二九・二〇~二一)。

 われわれはここに、神の子たちの経験にもあてはまるものの予型を見る。耳、手、足はみな、神に対して聖別されなければならない。キリストの死への同形化――血との接触――がこの聖別を実際のものとする。なぜなら、われわれの心がこの死との一つの中にもたらされる時、われわれは神へと分離されるだけでなく、あらゆる妨げからも分離されて、神の御声を聞き、神の働きを行い、神の御旨の中を歩めるようになるからである。これらの「肢体」(ロマ六・一三)は神の奉仕のために献げられ、明け渡されるだけでなく、この血が実現するこの分離のゆえに、汚れから「清め」られ、また、命の霊である油で油塗られる。これらの肢体は「主の御用に適う」ものとなる。この血とこの油を振りかけることは、われわれの前に死と命の両方を示す。すでに見たように、われわれの地上の歩みの全行程で、この二つが必要である。

 それゆえ、われわれにはキリストの復活の命の力だけでなく、キリストの死の力も毎日必要であることがわかる。

 キリストの死の中へと降りて行かずに、その命に与ろうとすることがないように注意しようではないか。過去にわれわれが犯した過ちや、われわれが霊的活力に欠けているのは、聖別の問題における十字架の力を見ることに失敗したせいで生じたのではないだろうか?おそらく、死はわれわれの義認にしか効力を発揮せず、われわれの聖別はまったく彼の命による、とわれわれは考えるようそそのかされてきたのである。そしてこれは、多かれ少なかれ多くの人の思いの中で優勢な次のような考えに導いてきたのである。すなわち、十字架に付けられたキリストのもとに来て、十字架の贖いと義認の面を見たので、われわれは今やそれを通り越し、それを後にしたのである、なぜならわれわれは復活したキリストとの生ける合一の中に入ったからである、という考えである。

 しかし、もしわれわれが自分の意図を理に適うものにすることに成功するなら、今や次のことがわかるようになる。すなわち、この「主イエスの死に渡すこと」――彼の十字架の本質、という表現を使うことができるだろう――は、恒常的な心構えとして、われわれが常に自分自身の内に持つべきものなのである。なぜならわれわれは、われわれの古い自己の命からの分離を常に維持する必要があるからである。これは一度で実現されることではない。

 それゆえ、罪に対する彼の死は、われわれの実際的聖さと極めて重要で密接な関係がある。それゆえ、すべての真の成長の条件は、この死に同形化されることである。キリストと共に罪に対して喜んで死ぬことは、キリストの命に満たされたいという願いよりも、魂の成長を示すより真実な証拠である。

 こうして初めて、われわれはバプテスマと主の晩餐の真の意義を理解するようになる。前者において、われわれは一度限り永遠にキリストと共に死の中へと葬られる。後者において、われわれはますますこの死と同化する――十字架に付けられたキリストの心とのより親しい交わりの中にもたらされる。

 それゆえ、キリストの十字架はわれわれが新しい命を見出す場所であるだけでなく、われわれの古い命を失う場所でもある。「主イエスの死に渡すこと」は「肉にしたがった」この命を終わらせることだった。なぜなら、「私たちの古い人」――すなわち、私たちの古い回心していない自己――は「キリストと共に十字架に付けられた」からである。この死との一つの中にもたらされること、それと大いに一体化されるあまり、言わば、それを常に負うようになることは、自己の命からの継続的解放の条件の中を歩むことであり、イエスの命がわれわれの日々の歩みの中で現わされるのを見出すことである。


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