「主の御霊が私の上におられる。貧しい人々に福音を宣べ伝えるように、私に油を塗られたからである。主は私を遣わされた。それは私が心の砕けた者を癒し、捕らわれ人たちには解放を、盲人たちには視力の回復を宣べ伝え、傷ついた者を解放し、主の受け入れる年を宣べ伝えるためである」(ルカ四・一八~一九)。

「主の霊がおられるところには自由があります」(二コリ三・一七)。

「あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にします」(ヨハ八・三二)。

「完全な自由の律法」(ヤコ一・二五)。

「ですから、キリストが私たちを解放して下さったその自由の中に堅く立ちなさい」(ガラ五・一)。

「私のくびきは負いやすく、私の荷は軽い」(マタ一一・三〇)。


 贖われた者たちはキリストとの交わりの中に召されているが、自由がこの交わりの生活の本質的特徴である。存在の本質は命である。幸福な存在の本質は、命の中の自由である。しかし、自由のない命もありうる。再生の御業がなされ、それゆえ新しい性質が存在していて、天から生じた願望がわれわれの生き返らされた霊から生じているかもしれないが、それでも、われわれの生活は決して自由ではないかもしれない。

 キリストは命を分与するだけでなく、その解放――その展開と成長――のために必要なものをも与えて下さる。

 奮闘は活力の真のしるしかもしれないが、しばしば束縛状態を証しするものでもある。自由になろうという必死の努力は、われわれがもはや「咎と罪の中で死んで」いない証拠として捉えるべきである。しかし、そのような戦いを「信仰の良き戦い」と勘違いしてはならない。自由は目標ではなく、むしろクリスチャンの戦い――勝利するまことの戦争――の条件である。「抵抗する」ために戦って、「圧倒的な勝利者」となるには、われわれは「キリストが私たちを解放して下さったその自由の中に堅く立」(ガラ五・一)つことの何たるかを知らなければならない。

 自由とは、命が妨げなく活動できることである。「その適性と全く合致して生き且つ動くことのできる存在、その能力を妨げや邪魔を受けずに行使できる存在、そのような存在だけが真に自由であると言える」(マルテンセン)。このためには、命――植物の命、動物の命、霊の命――はその適正な真の要素の中になければならない。そこでのみ、命は滋養と自由の両方を見出すことができる。このように、植物には適切な土壌だけでなく、空気、湿気、陽光も必要である。周囲の環境が命を生じさせるわけではないが、それは命の拡大・成長に必要不可欠なものを与える。この妨げを受けない活動の中に自由が存するのである。

 自然界においても、生き物はそれ自身の生来の要素の中で動き回れる時、自由である。鳥は大気の中で自由であり、魚は水の中で自由である。そのどちらかをその要素の中から取り出すと、自由はなくなってしまう。その要素の性格を変更・修正するなら、その生き物の命の自由を制限・破壊してしまう。

 罪を通してわれわれは内なる命の原理を失った。また、その真の住まいである領域をも失った。回復とは、霊を生き返らされて、適切な環境の中にもたらされることである。「再生」されることは、このように生き返らされることであり、「キリストの中に」あることはその環境の中にあることである。それゆえ、霊的自由を知ることができるのは、命を持っていて、命の真の領域であるキリストの中に住んでいる人たちだけである。それゆえ、再生された人はみな、必然的に霊的に自由な状態の中にある、と当然視することはできない。回心がすべてではない。救いは、神聖な内なる生命原理を持つことを遥かに超えたことである。


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