耳が聞こえず口の利けない人の事例では、数々の霊的事柄に関する何という絵図があることか!「彼らはイエスのもとに、耳が聞こえず口の利けない人を連れてきた」。彼は聞くことも話すこともできなかった。われわれの極めて貴重な能力の二つに欠けていた。それらの器官は存在していたが、実際上その人はそれらの器官がまるでないかのようだった。外界と情報交換する二つの経路は、このようにその人に対して閉ざされていた。

 どのようにイエスは癒されたのか?解放の順序はどうだったのか?どの器官から彼は始められたのか?彼はまず耳を開かれた。さて、耳は受け入れる器官であることをわれわれは知っている。これがその目的である。耳は与えるのではなく受け入れるために造られている。耳は、それによって諸々の影響が外側から心の中に入る経路である。

 その人は音を受け入れる力に欠けていた。その器官は無かったわけではなく、機能障害に陥っていた。その扉は閉ざされていた――その通りは閉鎖されていた。彼はそのようなすべての影響に対して無感覚だった。

 これは霊的にもそうである。罪は人から神の御声を聞く力を奪った。そして罪は信者から、もし信者が罪に屈するなら、同じ能力を奪う――主の御声に耳を傾ける能力を奪う。

 聞くことは信仰の最初の行いである。「聞け、そうすればあなたの魂は生きる」。「私の言葉を聞いて、私を遣わされた方を信じる者は、永遠の命を持つ」。そして、全生涯を通じて耳を傾け続けなければならないのである。

 その後、主イエスはその人の舌を解かれた。

 舌は話すための手段である。その人は自分の思いを伝える力に欠けていた。舌は、取り入れることによってわれわれが理解したことを語り出す器官である。舌は、われわれが神に賛美を歌う時、感謝を言い表す時、人々の前で証しする時、用いる道具である。舌はあらゆる器官の中で、救いの良いおとずれを宣べ伝えるために出て行く使者が最も必要とするものである。

 さて、これはみな霊的生活にも言える。

 罪は人から神に賛美をささげる力や、祈りの中で神を呼び求める力を奪った。罪は人から人々に対して証しする能力を奪った。罪は人の口を閉ざし、人の耳を聞こえなくするだけでなく口を利けなくした。

 さて、これらの二つの器官――聴覚と会話力――は互いに依存しあっている。生まれつき耳が聞こえない人は、通常、口が利けないままである。聴覚は先天的器官だが、会話力――つまりはっきりと話す能力――は後天的技術である。人は聞くことによって話すことを学ぶ。しかし、生まれつき耳の聞こえない人は、どうやって学べるというのか?

 同じように霊的生活においても、魂の同様の器官の間には緊密な関係がある。口が開かれる前に、まず耳が開かれなければならない。神のために効果的に語ることは、神に正しく耳を傾けることによる。心が満たされるのは耳を傾けることによる。そして心に満ちていることを口は語る。

 イエスは「エパタ」(「開かれよ」)と言われた。耳と舌の両方が自由にされた。

 この行為はキリストの務め全体を象徴している。彼が来られたのは、魂を贖うためだけでなく、われわれが持っているすべての能力と器官を自由にするためである。それらの能力と器官は、神が当初御自身の栄光のために創造されたものだった。

 サタンの一大目的は、奴隷にして虜にすることである。魂を神との交わりにもたらすすべての道をサタンは閉ざそうとする。キリストが来られたのは牢獄の扉を開くためである――魂を罪の奴隷にしておく足枷を壊すためである。「彼の務めの効力は、一つの継続的なエパタだった」――道徳的・霊的能力をすべて解放し、鎖をすべて解くことだった。


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