魂に対する罪の関係は、体に対する病の関係と同じである、とたびたび指摘されてきた。われわれの肉体器官に及ぼす病の影響は、罪がわれわれの霊的性質の上に生じさせるものの絵図に他ならない。道徳的汚れとしての罪については、らい病との関連ですでに触れた。今、さらによく考えるべきは、罪の麻痺させる影響、あるいは不能にする影響である。

 罪のこの特別な面がいかなるものなのか、また、その破壊的影響からの解放がいかなるものなのかを理解するには、われわれの主の数々の奇跡を霊的癒しの象徴、主がいま人々の魂の上になさっていることの絵図として見ることが、われわれの助けになるだろう。これらの奇跡は神の力の顕現であるだけではなかった。霊的真理の「しるし」でもあったのである。それらの奇跡には肉体の癒しよりも遥かに高度な何らかの意味があった。またわれわれはそれらの解釈を「回心」に限定してはならない。数々の事例の大多数は、神の子らである者たちが知って理解するべき諸々の祝福を示している。病の前提は命の存在である。病とは不正常な或いは病んだ状態にある命に他ならないのではないだろうか?病とは「諸々の器官の自然の機能が妨害されたり乱されたりしている、生体の任意の状態」と定義されてきた。われわれの主がなさった癒しはみな、そのような撹乱状態から体の一部あるいは全体を解放するものであり、道徳的悪の何らかの形態からの魂の解放を表わしていたのである。

 聖マタイの福音書の八章に、山上の垂訓を説いた後、われわれの主が直ちになさった一連の奇跡の記事がある。彼の王国の数々の原則を教えによって示してから、主は行動によって御力を示し、人々の全ての病を癒すことにより、解放と力をもたらす御自分の美徳を伝達された。この章の中にはらい病、麻痺、熱、悪の他の形態がある。しかし、キリストはそれらをすべて癒せたのである。

 これらの肉体的病が示しているのは、病としての罪の様々な面に他ならないのではないだろうか?

 麻痺の機能障害の中に、われわれは自発的に筋肉を動かす力の欠如を見る。それは感覚の欠如を伴わない動く力の欠如か、あるいは、動きの欠如を伴わない感覚の欠如か、あるいは、両者の欠如かもしれない。それは様々な姿で現れる。時として、それは組織全体を攻撃する。あるいは、体の片側だけに影響を与える。また、他の時には、一肢体だけが影響を受ける。

 罪はまさに同様の影響をわれわれの魂に及ぼす。霊の命があっても、霊的活力に欠けているかもしれない。罪の影響の痕跡を、自発的力の機能障害、あらゆる道徳的力の衰弱、霊的感覚の鈍化や死滅の中に辿ることができるかもしれない。そしてその結果は、霊の命全体が低調になることである。罪はこうしてわれわれから力を奪う。われわれの新しくされた存在に属する諸々の機能を発揮することを可能にする唯一の力を奪う。そして罪はわれわれの力を弱くするだけでなく、われわれの成長の邪魔をする。体の組織がすべて揃っていて、すべての器官、すべての機能が揃っている子供でも、麻痺に襲われるなら、成長できなくなる。魂も同じである。新生しているかもしれないし、神に回心して一大変化を遂げたことは明確な紛れのないことかもしれないが、それでも、罪が侵入してその麻痺させる影響を生じさせるのを許容してきたかもしれない。罪はわれわれから霊的力をすべて奪うだけでなく、われわれの前進を遅らせ、われわれの成長を阻む。

 しかし、病は活力を弱めて死滅させるだけではない。体の器官の中に明確な欠陥を生じさせるかもしれない。例えば、盲目に生まれついた人の場合や、口や耳が不自由な人の場合である。ここでわれわれが目にするのは、病がもたらす弱める結果や麻痺させる結果以上のものである。罪についても同じである。われわれは罪をこの観点から見ることができる――剥奪として見ることができる。これをわれわれは再生されていない人だけでなく再生されている人の中にも見る。罪はわれわれの道徳的存在の霊的器官に影響を及ぼして、やがて、これらの器官は活動を停止するかもしれない。「目があっても見えない」という御言葉が実際に成就されることになるのである。


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