エペソ人への手紙:万物をキリストの内に

 この手紙には素晴らしい豊かさがあります――この手紙は実に豊かな手紙であり、ほとんどすべての節に私たちは我を忘れます――このあらゆる豊かさのただ中に、小さな句があります。この句はこの手紙全体の要約であり、この手紙の目的や意義を実際に示しています。この句のようにすべてを含む句を握ることは常に大きな助けになります。その句とはこれです、「……御旨の奥義(中略)これは神がご自分で計画されたものであり、時の満ちるに及んで実現されます。それによって、神は天にあるものも地にあるものも、万物をキリストの内にまとめようとされたのです」(一・九、十)。「万物をキリストの内にまとめようとされた」。この「まとめる」という言葉は、おそらく、使徒が本当に言わんとしていることや実際に述べていることを伝えきれていません。この言葉は多くのことを網羅しますが、「万物をキリストの内に結集しようとされた(あるいは、包含しようとされた、という言葉の方がいいでしょう)」と言った方がいいでしょう。

人の分裂

 罪がアダムを通して入って来た時、分裂の一大過程が始まりました。第一に、人自身の内で分裂が始まりました。人はもはや単一の実体ではなくなり、分裂した人格を持つようになりました。アダムの子孫はみな、人格が分裂しています。その性質や構成のいかなる部分も、内戦状態にあります。アダムの子孫はみな、分裂した人であり、自分自身の内に争いを抱えています。これは私たち全員に言えることではないでしょうか?自分の性質、成り立ち、構成の中には完全な調和を物語るものはまったくないことを、私たちはいやというほど知っています。私たちの内側には戦いがあります――私たちの成り立ちの中に戦いがあり、私たちの気質の中に戦いがあり、私たちの存在全体の中に戦いがあるのです。私たちは粉々であり、分裂しており、バラバラです。これが人自身の内に起きたのです。

 次に、最初の二人――当時二人しかいませんでした――人とその妻との間に分裂が生じました。二人の間に生じた崩壊と混乱の数々の要素を見ることができます。人は女を責め始めました。これが家庭内不和の始まりです。その前は、素晴らしい合一と調和がありました。御言葉は、二人は「一体」であった、と述べています(創世記二・二十四)。しかし今、何かが侵入して、二人はもはやそうではなくなってしまいました。エデンの園から追放された時、二人は間違いなく、「これはすべてあなたの責任です!」と互いに責め合ったことでしょう。非難合戦等々――私たちはこの類のことに慣れています。二人の間に分裂が入り込み、人生に緊張が生じました。

 次に、この二人からどのような家庭が生じたのでしょう?カインとアベルの物語があります。彼らは最初の子供であり、不和、分裂、崩壊の中に巻き込まれ、遂には殺人にまで至ってしまいました。この家庭から、分裂は人類に及び、遂にあの大分裂が起きたのです。この大分裂により、人類はとても多くの言葉を持つ民族に分かれてしまいました。今日ある通りです。全人類は粉々になってしまい、完全なる不調和の状態にあります。この流れを追って行くなら、旧約聖書を読み終わる前に、全人類がユダヤ人と異邦人という互いに相容れない二つの部分に分かれてしまったことがわかります。ユダヤ人と異邦人は互いに苦々しい敵意を抱いていました。ユダヤ人は異邦人を「犬」――汚れた者――と呼んで、異邦人と関わろうとはしませんでした。異邦の民はユダヤ人に反感を抱きました。異邦人がこれまで何を行ってきたのか、また今日何を行いつつあるのか、私たちは知っています。今日の人類の状況は、粉々で、散り散りの、不和と憎しみ、喧嘩や争いや戦いや戦争の状況にあります。中心から周辺に至るまで、人類はみな粉々で、互いに争っています。人類にはいかなる調和、合一、まとまりもありません。


オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館
オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館へ

コメント
トラックバック
トラックバックURL
コメントフォーム
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
全記事表示リンク
検索フォーム
個人のブログに関するリンク集
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

電子書籍
Glorious Secret
ジェシー・ペン-ルイス
「栄光の奥義」


The Cross of Christ
アンドリュー・マーレー
「キリストの十字架」


ランキングサイト
にほんブログ村 哲学・思想ブログ キリスト教へ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 聖書・聖句へ

人気ブログランキングへ ブログランキング

ブログのまどランキングへ ブログ王へ

ブログランキング【くつろぐ】

QRコード
QR
カウンター

Page Top
Powered by FC2 Blog | | Template Design by スタンダード・デザインラボ