「捕らわれ人に自由を告げるために」

 第一に、これはシオンに対する、教会に対するメッセージであることがわかります。これはすべて主の民において成就・実現されなければなりません。当時、イスラエルはバビロンで捕囚の身にあり、束縛と霊的死の状態にありました。そして、この数々の預言はイスラエルの解放、束縛と死からの自由、彼らを解放して命と自由にもたらすことと関係していました。さて、すでに述べたように、「主の油が私の上にある。『それは私が捕らわれ人に自由を告げるためであり』云々」というこの御言葉を、イエスはご自分にあてはめられました。しかし思い出して下さい、地上のシオン、地上のエルサレム――言い換えるとユダヤ人――は決してこの解放の実際の中に入ることはなかったのです。彼らはその恩恵をすべて失いました。それは霊的イスラエル、神の霊的民の嗣業となりました。ユダヤ教――「肉によるイスラエル」――はこの油塗りの最大の敵でした。律法主義という彼らの武器によって、彼らは彼を殺してしまいました。この章の第二区分に記されているこうしたさらなる恩恵にあずかるのは、この油塗りに関して述べられているあらゆることに応答する民であるにちがいありません。

 つまり、そのような民は、柔和であるがゆえに良きおとずれをよく理解できる民でなければなりません。肉によるイスラエルはそうではありませんでした。また、心の砕かれた民でなければなりませんが、肉によるイスラエルはそうではありませんでした。自分たちが実際には捕らわれの身であることを自覚している民でなければなりませんが、私たちの主の時代のユダヤ人はそうではありませんでした。「自分たちは信仰を持っており、地上の民の中で最も自由であって、束縛とは無縁である」と彼らは思っていたのです。これが彼らと主イエスとの間の論争の一つの論点でした(ヨハネ八・三十三)。「縛られていた者たちに獄屋が開かれる」等のことを享受するのは、自分が投獄状態にあることを実感している民です。油塗りの恩恵にあずかることができる民は、自分たちが主の僕を必要としていることを、こうしたあらゆる方法で霊的に悟る民だけです。この御方は、そのような民の幸福と益のために、油塗りの下で働いて下さいます。


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