(2)この世的知恵

 この最初の区分には「この世の知恵」(一・二十)――人の知恵、物事に関する人の思い――について、どれほどたくさん記されていることでしょう。神は言われます、「私の基礎の上にそのようなものがあってはなりません。私の基礎の上にはあなたたちの思いのための場所はどこにもなく、御霊の思いのための場所しかありません」。もし御霊の思いがわからないなら、神の基礎の上で何かを行う資格は私たちにはありません。しかし、結局のところ、これこそまさに、今日キリスト教を駄目にしている事柄であり、問題ではないのでしょうか?その通りです。キリスト教について、自分とは無縁な客観的方法で考えないようにしましょう。これは私たちにも身近なものなのです。まさにこうしたものが、私たちの間でさえ、問題を引き起こしているのかもしれません。御霊の精神ではない思いや精神を、私たちは神の基礎の上に持って来ているのかもしれません。思いは精神という結果になります。「人の思いは、人の霊以外に、誰が知っているでしょう?それと同じように神の思いも、神の御霊以外には、知るものはいません」(二・十一)。天然的な思いと霊的な思い――これは二つの別の精神であることがわかります。神は言われます、「私の基礎の上に天然的な思いや精神があってはなりません」。

 パウロはこれを「この世が侵入して、神の基礎の上に何かを築いているのである」と述べています。神は言われます、「私の基礎の上には、いかなる形であれ、この世のための余地はありません」。これについて詳しく調べるなら、これは多くのことを探り出すものであることがわかります。この世の水準や判断や価値観――この世はいかに考え、いかに物事を行うのか――を探り出すのです。このコリント人たちは人の注意を引こうと努力し、しかもそれを天然的手段で行っていました。イザヤ書五十三章の十字架は、この世の基準から判断すると、あまり印象的なものではないのではないでしょうか?十字架は福音を一般受けするものにはしませんし――むしろ、つまづきを引き起こします。

(3)魂的な訴え

 あなたは生まれながらの人に訴えかけることによって、神の働きを成功させようとしているのではないでしょうか?さて、私は醜悪なものや雑なものを信じていません。神は美の神であると信じています。しかし、誇示したり、人の魂に訴えることによって――芸術的、審美的な方法などで――神の働きを成功させようと考えるなら、私たちは間違った路線にいるのです。別の言い方をしましょう。いかなる「訴え」、「影響」、「引き寄せ」、「威力」も、内なる霊的価値のみに本質的に基づいていなければならず、人々の天然的な空想を捕らえたり喜ばせたりするものに基づいていてはならないのです。主の御腕が現されて味方するのは、「生まれながらの人」やこの「世」に対してではありません。主の御腕はそれらのものにただ反対するだけです。

 この手紙を読み進んで行くと、十字架が他の多くのものに触れることがわかります。十字架は私たちの感覚に触れます――私たちの天然的な感情、私たちの天然的な情熱に触れます。ここにはそのようなものがたくさんあります。また、私たちの感情だけでなく、私たちの精神性についても、「そのようなものを私の基礎の上に置いてはいけません。決してだめです」と主は言われます。建造に関して、十字架がそれに対して「否」と言うものが、ここにはたくさんあります。これをもっとよくご覧になることをお勧めします。このコリント人への手紙を解説することは、私の目的ではありません。私は積極面に至りたいのです。

 というのは、この手紙には積極面があるからです。この基礎の上に何を据えてもよいと、神は仰っているのでしょう?この手紙がまったく消極的な手紙で、「否、だめ!絶対だめ」ばかりだったら、とても悲惨だったのではないでしょうか?次のことに注意して下さい。これを私が前に述べたことをあなたは覚えておられるでしょう。すなわち、神の「否」を受け入れない限り、あなたは決して神の「然り」に至ることはできないのです。しかし、この手紙には非常に力強い「然り」があるのです。それは何でしょう?おそらく、「自分はそれを知っています」と私たちは思うかもしれません。そうです、私たちはそれを文字としては知っているかもしれません。しかし、実際のところ、それについて何も知らないのではないでしょうか。


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