十字架の中心的地位

 さて、この章がイザヤ書の中でどれほど素晴らしい場所にあるのかに注意していただきたいと思います。イザヤ書の預言の構成を思い出して下さい。最初の三十五章は広範に及ぶ裁きで占められています。裁きが常に神の民から始まることに注意して下さい。これが神の法則です。ご自分の民を裁いてからでなければ、どうして神は世を裁けるでしょう?三十六章から三十九章は、ヘゼキヤを取り扱う短い間奏曲を構成しています。それから、最後の区分である四十章から六十六章は回復と再建造で占められています。さて、この最後の区分は二十七章あり、新しい展望、回復と再建造で占められていますが、その中間にこの五十三章があります。これは意義深くないでしょうか?これは建造において、また回復において、十字架に中心的な地位を与えます。これは常に正しいのではないでしょうか?しかし、おそらくあなたは反対して言うでしょう、「イザヤは遥か彼方、遠い昔の、古代の預言者です!」。ですから、私はここで長い話を挿入したいと思います。

 いま考えたこの全体の流れは、あなたや私が生きているこの経綸にも導入されています。この流れは、ローマ人へのパウロの手紙の中にもたらされ、導入されています。また(次の章で見るように)、この流れは同使徒のコリント人への第一の手紙の中で完成されています。ローマ人への手紙を思い出して下さい。最初の区分は、アダムの種族全体に対する神の裁きを見せています。それは神の「否」であり、六章の焦点である十字架に至ります。この六章は、前の章で述べられた状況全体に対抗して立っており、十字架はそれらすべてに対して永遠に「否」と言うことを宣言します。しかし、七章を通って六章から八章に進むなら、この古い状況から新しい状況に、消極的状況から積極的状況に移ることがわかります。八章で、私たちはまったく新しい展望、まったく新しい開始の中に入ります。「ですから今や、罪定めはありません……」。罪に定められていたものは、十字架ですべて対処されました。私たちは「キリスト・イエスの中に」あります。「キリスト・イエスの中にあるいのちの霊の法則が、罪と死の法則から私たちを解放したからです」。

 次に、この新たな素晴らしい展望が開かれます。これはどういう結果になるのでしょう。それはこういうことです。「しみやしわやそのようなものがまったくない」素晴らしい栄光の教会を建造することを常に目指してこられた神は、建造の土台となるものを見つけるために、人々の間の状況をご覧になりました。しかし、神は何を見いだされたのでしょう?ローマ人への手紙の最初の数章に記されている状況を見いだされたのです。それは何という描写でしょう――罪、腐敗、混乱、紛糾――人類堕落の絶望的光景です。彼はご自分の栄光の教会の土台を据えるためにやって来られた時、このような状況をご覧になったのです。そして、彼は言われました、「この上に土台を据えることはできません。この上に私の教会を建てることはできません。この土地を清め、この状況全体を片づけ、火で燃やさなければなりません」――そこで、十字架がこれを行いました。大いなる青銅の祭壇のような十字架が、裁きの強力な火で、あのねじれてゆがんだ人間性のもつれを対処したのです。今、神は土台を持っておられます――それは十字架につけられたキリストです。今、彼は教会建造を進めることができます。

 これが十字架の解き明かしです。十字架は、神がなさりたいことをできなくするものをすべて取り除いて、彼の御心にあるものを遂行するための、神の手段です。彼は大いなる御旨を目指しておられますが、その途上に障害物があるのをご覧になります。そこで彼は、「障害物を対処しなければならない」と言われます。

 しかし、この章を終えるにあたって、ふたたび積極的特徴に戻りましょう。「十字架」という句を聞くとき、あの突然浮かぶ反抗的な考えに対して自分の思いを守りましょう――「おお、また十字架、またもや十字架、十字架とは!十字架には死しかありません。磔殺がすべてであり、すべてが消極的です!」。この示唆は断固として退けなければなりません――これは、栄光に満ちた御旨を達成するための神の最も素晴らしい道具に対する、サタンの歪曲です。「十字架」と聞くとき、こう言いましょう、「ああ、十字架は未来を意味します!それは道を清めることです。何かそれ以上のものであり、それ以下のものではありません。十字架は神の御腕が現されることです!」。パウロと共に言いましょう、「私には十字架以外に誇るようなことが断じてあってはなりません……」(ガラテヤ人への手紙六章十四節)。


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