(2)イスラエル
(a)彼の生涯に対して

 イスラエルの姿勢はどうでしょう?彼の全生涯がここに記されています。まず第一に、彼の誕生と青年期に関して、彼は「渇いた地から出た根」として描写されています。ある意味において、この記述は正しい記述でした。なぜなら、ダビデの子孫は枯れ果てたように思われており、この国民は彼をこのように疑っていたからです。「彼には私たちの慕うべき美しさはなく」。彼がこの世に来られた時、栄光の輝きや知覚できる光輝は何もありませんでした。結局のところ、彼は何者なのでしょう?彼はどこから来たのでしょう?もちろん、私たちはよく知っています。しかし、マタイとルカが記録を書いたのは彼が栄光をお受けになったかなり後のことであることを、あなたは思い出さなければなりません。彼らは労苦して、彼の先祖を辿り、彼の誕生時の環境をすべて探しだすことに取り組みました。その記録は福音書の中に記されています。しかし、これらの記録はイスラエルの中では一般的なものではなかったのです。「調べて見なさい。ガリラヤからは一人も預言者は出ていない」(ヨハネ七・五十二)と彼らは言いました。「ナザレから何の良いものが出ようか?」(ヨハネ一・四十六)。彼がお生まれになった時、彼には生来の人の栄光や尊貴は何もありませんでした。彼は人間的威光を帯びることなくお生まれになったのです。彼の生涯については――ここには積極的なことよりも消極的なことが多く記されており、長所よりも欠点の方が多く記されています。彼には見るべき「姿はなく」、麗しさもなく、「私たちが慕うべき美しさもありません」。主イエスの容貌を思い描こうとしてはいけません。人々は彼をこのように見たのです。彼の相続財産は災いでした――「悲しみの人で、苦しみを知っていた」。彼の生涯は、人の嗣業であり経験である諸々の悲劇と関係しており、ただ悲しみと、苦しみと、災いしかありませんでした――人々は彼の生涯をこのように見ていたのであり、これが人の判断でした。彼らから見ると、彼が主の油塗られた選びの僕、贖い主、メシヤであることを証明する積極的要素は何一つ見あたらなかったのです。

(b)彼の死に対して

 イスラエルは彼の死の「知らせ」を聞いた時、どのような判断を下したのでしょう?イスラエルは彼をどのように見たのでしょう?「渇いた地から出た根」です。それには何の美しさも魅力もありません。それは道で見つけたら、蹴って道からどける類のものです。彼らはこれをそのように判断しました。「さげすんで、拒絶した」――これがイスラエルの判断でした。「悲しみの人で、苦しみを知っていた」。「これがメシヤだって!これが主の油塗られた者だって!これがエホバの僕だって!これがイスラエルの贖い主だって!いいえ、断じてそんなことはありえません!」。「人から顔を背けられる者のように、彼はさげすまれた。私たちも彼を尊ばなかった」。このような振る舞い、態度、表情を思い描くのは困難です。「彼は神に打たれた、と私たちは思った」。(神に打たれた!これが彼の十字架の意味です――彼はそれに値したのです!神が彼を打たれたのです!)。「……神に打たれ、苦しめられた」。「神は彼の受くべき判決を彼の上に下し」。「人々は彼の墓を悪しき者と共に設け」――疑いもなく、アリマタヤのヨセフが介入して、ピラトから彼の体を願い受けていなければ、これが起きていたでしょう。彼は悪人らと共に共同墓地の中に投げ棄てられていたでしょう。

 彼の死について何と完全に描写されていることでしょう!「虐待されても、自分を低くして、口を開かなかった。屠り場に引いて行かれる小羊のように、毛を刈る者の前で黙っている羊のように、彼は口を開かなかった」。彼は屠り場に向かう者のようだったのです――何と酷い、恐ろしい言葉でしょう!屠り場!「神に打たれた」――これは十字架の解き明かしでした。「裁きによって、彼は取り除かれた」。実は、その時、彼の方が迫害者たちに対して裁きを執行していたのです。しかし、人々の見方はこうでした、「彼が裁きによって取り除かれるのは当然のことです。彼の特権をすべて剥奪し、彼の権利をすべて抹消しなければなりません。彼はそれに値するのです」。「彼は生ける者の地から絶たれた」。「神が彼を断ち切りました――神がそれをなさったのです!」。これがイスラエルの判断であり、人の判断です。神聖な事柄、神聖なパースン、神聖な働きに関する人の判断は、全く外面的考えに基づいており、内なる実際については何も知らないのです。


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