2.家のための小羊

 差し迫った悲劇が、棺を覆う幕のように、古代エジプトの上にのしかかっていた。光と闇が優位に立つべく争っていた。告げられた神の御旨に逆らって、邪悪な王が反逆の手を上げた。数々の災厄がエジプトの上に下った。イスラエルの子らを行かせることを、神は決意された。彼らをとどまらせようと、パロは決意した。辛坊強く忍耐強い神は何週間も待たれた。その後、神は反逆の民に最後の一撃を加えられた。

 死の御使い――復讐の御使い――がエジプトの暗い通りを歩み、手に剣を持って、命の紐を断ち切ろうとしていた。死と滅びが、途方もない復讐の一撃の下で、国全体をよろめかせようとしていた。しかし、神が選ばれた民は、その晩、救われることになっていた。彼らは小羊を取るよう告げられた。小羊は屠られて、その血は彼らの家のかもいと入口の二つの柱に降り注がれなければならなかった。

 地のいかなる交響曲よりも遥かに素晴らしいのは、神が御民に語られたメッセージだった。「その血を見る時、私はあなたたちを過ぎ越す」。代々の聖徒たちはこの歌を歌うことになっていた。諸世紀にわたって贖われてきた人々が立ち上がって、この解放の素晴らしい夜のゆえに神に栄光を帰すことになっていた!

 行進する民が砂漠を横切ってエジプトから良き地に行くことになっていた。彼らは死と滅びを逃れて、命と解放を見出すことになっていた。それは流された血のゆえである。ハレルヤ!それと同じように今日の聖徒たちは、自分の罪というエジプトから出発して、真珠の門を通り、神御自身がすべての目から涙を拭って下さるエデンの谷に行くことになっていた。礼拝堂や大聖堂、店や家で、彼らは「その血を見る時、私はあなたたちを過ぎ越す」という解放の証しをすることになっていた。この計画が進展しつつあった。かつては人のための小羊だったが、今や家のための小羊だった。

 夜影が田園に忍び寄った。月は天に低く懸かっていた。復讐と刑罰の時が来た。死の御使いが迅速かつ確実に打った。主の御前で不従順だったために打たれた人々から、大きな長い悲しみの悲鳴が上がった。

 ゴセンの東の山々の砂っぽい荒地の上に、いつものように日が昇った。奴隷小屋の中からイスラエルの贖われた家族が出てきた。彼らは旅の準備をしていた。神の御言葉と約束の正しさが証明された。小羊――家のための小羊――が屠られた。小羊が屠られて、家族は生き延びた。「その血を見る時」と解放された群衆は唱えた。「その血は救う」と幼子たちは歌った。多くの口が「その血の覆いのゆえに私たちは滅びから守られた」と唱和した。

 神に感謝せよ、その血が贖いをなしたのである。緊張が解ける前に、イスラエルは行進した。そして最も小さな者から最も大きな者に至るまで、家のための小羊の物語の栄光の中で、すべての人が心から喜んだ。


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