日毎の信頼

 前に向かって前進することと日毎の必要のためには日毎の信頼が必要である。無力さを感じてわれわれは主の臨在を叫び求める。紅海を渡ることができるのは、ただ主の御力による。マラはエリムと同じように必要である。雷鳴と律法とを伴うシナイ山は、エリコの壁が崩れ落ちた時の勝利の叫びと関係していた。一度に一歩、これが神がその愛する子らを導かれる道である!それは辛い道ではない。なぜなら、夜は火の柱、昼は雲の柱があるからである。神が望んでおられるのは、一度に一歩進むことだけである。

 神がわれわれを導いて通らせる谷は、谷の終わりでぼんやりとわれわれの前に現れる山と同じくらい必要なものであることを、どうしてわれわれは学ぼうとしないのか?力を尽くして主に信頼し、自分自身の理解力に頼らない人には、「自分の歩みはすべて主によって命じられたものである」と断言する権利がある!

「豊かな素晴らしい日陰の牧場を縫って
 主はその愛する子らを導かれる。
 冷たい水の流れの中に疲れた足を浸せる所に
 主はその愛する子らを導かれる。
 水の中を通る人もいれば、洪水の中を通る人もいるし、
 火の中を通る人もいる。しかし、皆が血の中を通る。
 大きな悲しみの中を通る人もいるが、主は歌を与えて下さる。
 夜の時期も、また昼の間も。」


 この学課を学ばない限り、誰も完全さにおいて成長することはできない。人の典型的願望にしたがって「完全な生活」を送ろうと空しくもがくことより、主に信頼することの方が遥かに優っている。

 フライブルクの古代の大聖堂の中に一人のオルガン奏者がいた。彼は自分の楽器を妬むほど愛していたので、年老いた管理人に「自分以外の指を鍵盤に触れさせてはならない」と指示した。彼は自分だけがペダルや音栓を管理することを願い、「この心ときめく偉大な楽器は自分のものである」と何度も主張した。そして、妬み深い配慮をもってその楽器を守った。

 ある日のこと、管理人が教会を掃除していると、一人の老人が中に入って来て、管理人と会話をした。話しつつ、彼らはオルガンに近づいて行った。そして、そのよそ者は静かに椅子に座り、その指で音栓を引き抜き始めた。教会の管理人は自分に与えられた命令を承知していたが、そのよそ者に魅了されて止めようとはしなかった。

主の接触

 その時、その指が鍵盤を押し始めた。自分の赤ん坊を優しくなでる母親の手のような愛情をもって、その指は鍵盤をなでた。すると、この偉大な楽器の管から旋律が流れた。古い大聖堂はその旋律で鳴り響いた。まるで交響曲の海のように、その旋律は高低を繰り返した。「このような音楽はこれまで聞いたことがない」と建物が言っているかのように思われた。そのよそ者は弾き続けた。そして、音が止んだ。轟音はおさまった。老人は演奏台から降りた。ゆっくりと老人は大聖堂の後ろの方に歩いて行き、そして止まった。そこに、命令を破られたその教会のオルガン奏者がいて、頭を垂れていたからである。彼がそのよそ者に話しかけた時、その眼には涙が浮かんでいた。「あのオルガンに他の人が触れることを私は一度も許したことがありませんでした。私の指以外の指にその鍵盤に触れてほしくありませんでした。しかし、あなた様にもっと弾いていただけると有り難いです。拝聴することは無上の光栄です。あなたはこの町の方ですか?」。その老人は「そうです」と答えた。「お名前を聞いてもよろしいですか?」。

 その老人はゆっくり遠ざかって、「私の名ですか?私の名はメンデルスゾーンです」と小声で言った。

 あなたの人生から極めて甘美な旋律を生じさせることのできる、あなたの指ではない指がある。釘で傷ついたキリストの御手が心と霊の琴線に触れるとき初めて、神の旋律が人の人生の中に響き始めるのである。


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