十字架のあの不屈の小さな兵士であるパウロがコリントにある教会に最初の手紙を書いていた時のことを、あなたは覚えていないだろうか?その第二章で、「私はあなたたちの所に行ったとき、『イエス・キリスト、十字架に付けられた方の福音』を述べ伝えた」と彼は告げた。この初期の時代のすべての宣教者の中で、パウロは間違いなく最高の教育を受けた人だった。彼は、おそらくタルソの大学を卒業した法律家だっただけでなく、ガマリエルのお膝元で哲学をも学んだ。彼は知性に秀でていた。知的巨人だった。しかし彼の学識、教育、哲学、法律家業は、決して彼を神にもたらさなかった。彼は回心前からとても誠実だった。だが、間違いに誠実だった。私の友よ、あなたの誠実さはあなたの正しさを意味しないという事実を思い出せ。あなたの正直さはあなたが真理を見出していることを必ずしも意味しないという事実を思い出せ。誤謬の中でとても誠実な人が何千人もいるし、間違いに誠実な人が何百万人もいる。あの日、ダマスコ路を旅していた時、サウロはこの状態にあった。すると、彼は力の下で倒れた。彼の背にのしかかったのはどんな力だったのか、とあなたたちは尋ねるかもしれない。私はあなたたちに告げる。それは神の力だった。この力の下にあった時、彼は一つの幻を見た。それはこの人の人生の転機だった。ダマスコの中に彼は盲目の状態で入った。しかし肉体的盲目の中でも、彼はかつて見たことのないものをはっきりと見ることができた。神の御言葉にしたがって、彼はまっすぐと呼ばれている通りに行った。これはどんな人にとってもクリスチャン人生を始めるのに良い道である。その後、まっすぐと呼ばれている通りから、彼はアラビアの広大な砂漠に行った。そこで何が起きたのかは御存じの通りである。聖霊が彼の教師になられたことに、私は微塵の疑いも抱いていない。彼は諸々の幻を見た。天から直接、深遠な諸々の教理的真理を受けて、それが後年彼の手紙の中に具現化された。「私は血肉に諮らなかった」と彼自身がわれわれに告げている。ある時、彼がエルサレムに行って、昔のペテロと十五日間滞在したのは事実である。この二人は共に何という素晴らしい時を過ごしたに違いないことか。ペテロがパウロをエルサレムの至る所に連れて行って、この都の景色と、自分とイエスが一緒に過ごした場所の景色とを見せるのが、私には思い浮かぶ。しかし彼がこれらの深遠な真理を得たのはペテロからではなかった。聖霊からだったのである。

 だから、コリントにある教会へのこの手紙の中で、彼がこう記しているのをわれわれは見出す。「私はあなたたちの間でイエス・キリスト、十字架につけられた方以外何も知るまいと決意しました」。私の友よ、人々をイエスのもとにもたらせれば彼らを真理にもたらせることを、パウロは知っていたことがわかる。イエスは真理である。分与された真理であるだけでなく、彼御自身が真理である。人々をイエスにもたらせれば、彼らを永遠の日の牧草地に向かって開かれている真珠の門にもたらせることを、パウロは知っていた。イエスが来たのはその道を人々に示すためではなかった。というのは、「私は道である」と彼は仰せられたからである。彼がイエスを述べ伝えた理由は、彼らの信仰が人の知恵にではなく神の力に基づくようになってほしいからである、と彼はこのコリント教会に告げた。しかし、自分は愚か者ではないこと、そして、主を受け入れたクリスチャンは狂信者ではないことを、パウロは宣言する。なぜなら、彼は六節ではっきりとこう述べているからである。

 「しかし私たちは完全な者たちの間では知恵を語ります。この世の知恵や、この世の滅びゆく君主たちの知恵ではありません。むしろ、私たちが語るのは、隠された奥義としての神の知恵です。それは神が世の始まらぬ先から私たちのために定めておかれたものです。この知恵をこの世の君主たちは誰も知りませんでした。もし知っていたなら、栄光の主を十字架につけはしなかったでしょう」。

 これは何と力強い言葉だろう。何という輝かしい真理の通り道に、パウロは遠い昔の時代の古のコリント教会の人々をもたらそうとしていることか。しかし今、私はあなたたちに読みたい。あなたたち全員が聞けるように読みたい。

 「しかし、こう記されています。目が見たことのないもの、耳が聞いたことのないもの、人の心に思い浮かんだことのないものを、神は御自身を愛する者たちのために備えて下さいました。神はそれらを御霊によって啓示されました。御霊はすべてを探り、神の深い事柄さえも探るからです」。

 これを聞いただろうか?神はこれらを御霊によって啓示してこられたのである。


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