当時はアラスカの一大ゴールドラッシュの時代だった。彼の友人たちは、もし彼を新しい環境の中にもたらせれば彼の人生は変わるかもしれない、と考えた。年老いた酔っぱらいはアラスカに行くことに同意した。そこで友人たちは彼の小さな鞄に荷物を詰め、別の衣服を買ってやり、スカグウェー行きの船に彼を乗せた。彼の妻と娘が見送りにやって来た。彼の小さな娘のフローレンスは彼の首を両腕で抱いて、「お父さん、向こうで傷つくようなことがあった時のために、小さな薬箱を鞄の中に入れておいたわ。それから、お父さん、私の聖書も中に入れておいたわ。世界の誰にもあげられないものだけど、お父さんは別よ」と言った。その小さな聖書はフローレンスにとってかけがえのないものであり、その見返しのページに彼女は「愛するお父さんへ、フローレンスから愛を込めて」という言葉を書いた。その時、汽笛が鳴り、その古びた蒸気船はアラスカに向けて出港した。

 数週間後、彼はごった返す人々――ユコンへの途上にある金鉱探索者たち――の大波の中にいた。彼が最初に見つけた職場は、その町で一番大きな酒場だった。彼の給料のほとんどは酒代に消え、残りの金で彼は食いつないだ。

 ある日、酒場の主人が彼の所にやって来て、「おい、四十マイル先に行ってくれないか。そこで金を掘り当てて、古い丸太小屋を買ったんだ。行って、私のためにその場所を確保してもらいたい」と行った。「いやだ」とジョーは言った。「ここを離れるつもりはないよ。私のささやかな欠点は知っているでしょう」。しかし、その人は「ジョー、飲み放題だぞ。犬ぞりで補給を送ってやろう」と言った。

 そこで、気がついてみるとジョーは四十マイル離れた寂しい山小屋の中にいた。飲む以外に何もすることはなかった。ウィスキーの樽が四分の一空になった、十月のある日のこと、山小屋の扉を叩く音がした。そこにはジミー・ミラーが立っていて、「寒くて飢えているんだ」と言った。コンリーは「中に入れ、食べ物とウィスキーの樽があるから」と言った。彼らがそこに二週間いて、飲んだくれては毎晩寝ていた時のこと、扉を叩く別の音がした。サンフランシスコからやって来た詐欺師のウォリー・フレットが中に入って来た。そして酒を見たとたん、彼の口はよだれを垂らした。「私も一緒にいていいかい」と彼は尋ねた。二人は同意した。そこで今や、その小さな山小屋に彼ら三人が暮らすことになった。彼らの野卑な笑い、汚らわしい冗談、みだらな物語は言葉にするのもはばかられた。


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