主はご存じだった

 数年前、私はオレゴン州のメドフォードにある長老教会で集会を導いていた。ある午後、主は癒しの集会を開くようわれわれを導かれた。その場所は混んでいて、多くの人が外や窓台の所に立って建物の中を覗き込んでいた。その中の一人に、松葉杖を頼りに歩いている身体障害者の小さな少年がいた。私の心はこの小さな子供のために痛んだ。その子の青い両目には哀愁感が漂っていて、心が騒いだからである。静かに私は自分の心を主に向けて、この小さな男の子を癒すための信仰を主に求めた。

 すると、舞台を横切って、一列に並んだ子供たちが祈りを求めてやって来た。その子供たちの大部分は親に付き添われていた。一人の小さな少女が私の前に立った。彼女の母親は泣いていた。私は少女の頭の上に両手を置いて祈った。

 何も起きなかった。しかし、集会の雰囲気が変わったように思われた。どんよりとした重苦しい空気が私の上に重くのしかかった。私は再び祈った。すると、この感覚はさらに強くなるように思われた。私は泣いている母親を困惑して見つめた。母親はすすり泣いていた。とうとう母親は、ヒステリー気味に、「どうしてイエス様は娘を癒して下さらないの?」と叫んだ。

 「あなたはどこで礼拝をしていますか?」と私は尋ねた。「私はメソジスト教会に通っています」が母親の返答だった。

 私は母親をしげしげと見つめた。すると私の心の中にある疑いが湧いた。まさにその時、主は私の横にいた人々の一人に見分けの賜物を与えて下さった。その人はこの女性に、「あなたはかつて神秘主義やオカルトにはまっていたことがありますか?」という質問をした。

 「あります」と母親は告白した。彼女の小さな少女は、そのメソジスト教会に通っていなかった。母親自身、数ヶ月の間、そこに行っていなかった。母親は毎週、ある心霊主義者の降霊会に出席していたのである。それで私は、なぜ私の主がご自身の祝福と信仰を差し控えられたのかが分かった。

 母親は魂の苦しみの中で叫び続けた、「イエス様は他の人々を癒されました。私の小さな娘も癒して下さるよう、イエス様にお願いして下さい」。

 私は言った、「姉妹、カルバリでイエス様が血を流して成就して下さった救いについて、何かご存じですか?」。

 彼女は言った、「かつては知っていました。しかし、自分の人生に悲しいことが起きて、神の御手を少しばかりさらに強く握る代わりに、神に背を向けてしまったのです」。私の求めに応じて、彼女は「私は今ここで自分の心をキリストに献げます。どうか私のために祈って下さい」と言った。彼女は私に続いて明け渡しの祈りを繰り返した。そして私はこう述べて祈りを終えた。「私は私の救い主であるイエス様に信頼します。そして、私のすべての罪のための贖いである血の約束を求めます」。

 私の心の中に、そして、彼女の心の中にも、天からの栄光の波が押し寄せてきた。私が自分の手を彼女の小さな少女に伸ばした時、身体障害者としてのその子の日々は過ぎ去ったことを私は知った。少女は自分の足で跳ね起きた。癒されたのである!それから、私は体の不自由な哀れな少年を見つめた。そして、手をその子の方に差し伸べて、祈りのために窓をよじ登って講壇のところに来るよう手招きした。少年は来なかった。その代わりに、松葉杖を外に残して、窓を通り抜けた。その少年もまた癒されたのである。

 聖霊はこの集会でこのように責任を負って下さったので、それに匹敵するものを目にすることは滅多にない。人々が癒されただけでなく、多くの人々が救われたのである。講壇の下の通路に、一人の親愛なる老婦人がやって来た。その老婦人は何年も車イスに乗っていたが、飛び跳ね、叫び、神を賛美した。救い主が人々と一緒に通りを歩かれた時、人々がしたのと同じようにである。何という集会だったことか!人々は救い主を崇め、天使たちは喜ぶ、何という時だったことか。

 さて、その少女の癒しのための信仰を私が持っていたと仮定してみよ。この少女の頭の上に私が最初に両手を置いた時、彼女は良くなって去ったと仮定してみよ。少女の母親は、それを降霊会は主の秩序の一環である印として受け取っていただろうし、その時から心霊主義――これが神からのものであるとは私は信じない――の中にますます深く巻き込まれていただろう。だから、理解力に欠けた状態で祈った時、信仰と確信の霊は私から引き上げられたのである。何と空しく感じたことか。その後、母親がイエスを自分の個人的な救い主として受け入れた時、信仰が分与されて御業がなされた。癒されようともがく代わりに、「私たちの信仰の創始者であり完成者である」イエスを見つめるなら、人生はどれほど甘く豊かなものになることか。


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