本書を書くよう私を導いてきた唯一の圧倒的力は、あなたの人生のあらゆる必要のためにイエスに依り頼んで信頼することを示したい、という私の心からの願いである。これまで私は自分の人生の中で、クリスチャンが倒れる悲劇を何度見てきたことか。そのクリスチャンたちは、神の恵みの中で自分が占める真の立場を再び認識できるようになるため、低くされなければならなかったのである。時として、自己義認が連戦連勝から生じる。神の力によって勝利し、神の恵みによって支えられているがゆえに、「自分は難攻不落な立場に達した」という感覚が心の中に成長し始める。そして、高ぶりによって自己義認の精神が涵養され始める。自分自身と自分の立場を過信するあまり、われわれは実に危険な立場に立ってしまう。「立っていると思う者は、倒れないように気をつけなさい」(一コリント十・十二)。

 聖別された神の子供が自由に使えるよう、神だけが与えられる力の資源が備えられている。無限の可能性を秘めたこの資源に接触することによってもたらされる奇跡を認識することは、帰郷の途にあるわれわれにとって、罪と自己に対する勝利を意味する。この接触を失うなら、あなたは希望を失うだけでなく、勝利の生活の可能性をも失う。あなたはあらゆることでイエスに依存している。彼は無代価で与えて下さる。彼の臨在によって与えられる諸々の機会を自分のために役立てるか否かは、主の力を引き出す秘訣をあなたが学んだかどうかに全くかかっている。

 聖なる御言葉のページに戻って、忠信なアブラハムに対する神の取り扱いの中に示されている、この驚くべき啓示を垣間見ることにしよう。創世記十七章一節は、一つの教訓を通して、神の御心の信実な御旨に関する理解へとわれわれを導いてくれる。この教訓はとても麗しいため、人々は畏怖の念に打たれて立ち尽くし、天使たちは驚かざるをえない。アブラハムの信仰が試されていた。神は一つの約束をお与えになった。時間の中でも、また永遠においても、神は成就できない約束をしたことは決してない!この古代の族長の腰から、その生涯と奉仕によって世界中の諸国民が祝福されるようになる裔が出ることになっていた。その子孫は大空の星のように無数になることになっていた。この子供の上に、主の御手が祝福と御力のうちに置かれることになっていた。

 毎晩、この約束が成就される幸いな日を、この老人は夢見た。しかし、暖炉上の砂時計の砂は、時の経過を告げ知らせた。無為な年月が過ぎ去って行った。ああ、その年月は何と長く、果てしなく思われたことか。その少年は生まれなかった。年老いたアブラハムは九十歳だったが、この神の約束はまだ成就していなかった。九十五歳になっても、サラとその夫は空しく待ち続けた。

 その後、彼が世紀の転換を期待した年がやってきた。彼は九十九歳だったが、まだ子供はいなかった。理性が彼の耳に恐ろしいことを囁き始めた。この老人の足下で地面が揺れ始めた。彼の信仰は衰え始めた。その時まで、彼の歩みは完全だった――自分によってではなく――主によってである。彼は今や不幸になりつつあった。神が彼に約束をお与えになった夜に見たのと同じ星々を、彼は一度ならず見上げたことだろう。そして、彼の視界を涙が霧のように覆って、ついには悲しみと失望の海の中に星々が溶けていくかのように思われたことだろう。理性は言った、「アブラハムよ、これは不可能である」と。彼はサラの歳を考えた。自分自身が高齢であることを沈思した。どうしてこのようなことがありえるのだろう?しかしそれでも――それでも――この約束があったのである!この老人の心と思いの中で、この戦いが長いあいだ激しく荒れ狂った。しかし、この約束があった――神ご自身からの約束があったのである。


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