Ⅳ.第四の偉大な絵図は受難者の絵図である。これは大きな犠牲の伴う勝利だった。「何ゆえあなたの装いは赤く、あなたの衣は酒ぶねを踏む者のように赤いのか」。これはゲッセマネの園とカルバリを物語っている。彼の受難の特徴の一つは、道中の孤独さだった。「私はひとりで酒ぶねを踏んだ」。分離と寂しさの感情が加わった孤独ほど痛ましい苦難があるだろうか?あなたはこれまで苦しんで、「誰も自分のことを理解してくれないし、気遣ってもくれない」「誰も自分の悲しみにちっとも同情してくれない」と感じたことはあるだろうか?それはあなたが説明できず、彼らも理解できないことだった。何と滅入る感覚か!彼は性質上孤独であり、周囲からかけ離れていたため、不作法や荒っぽさや間違いはすべて彼に奇妙な痛みを与えたにちがいない。助けが必要な最暗黒の時に、彼の弟子のほとんどは彼を見捨てて逃げてしまい、彼御自身の御父も顔を覆ってしまわれた。まことに彼はひとりで酒ぶねを踏まれたのである。

 Ⅴ.贖いの哲学の最大の奥義の一つは、彼の最大の苦しみは彼の最大の栄光だったことである。われわれにも言えることだが、苦しみはわれわれの訓練の一部であり、われわれの最大の喜びになる。われわれは贖いのための犠牲的苦難には与らないが、参与すべき他の苦難がある。その苦難は来たるべき時代にわれわれの栄光になる。人生最大の悲劇の時に彼がひとりだったように、われわれも彼と共に隠遁して孤独にならなければならない。われわれの中には今そのような境遇にある人もいるが、落胆することをわれわれは拒否する。熱闘の中で気落ちすることを拒否する。戦いの煙と砂ぼこりが巻き上がる時、われわれは最大の栄光を享受するのである。

 Ⅵ.結論として、使徒パウロが言ったことに注目せよ。「彼は高いところに上った時、とりこを捕らえて引いて行き、人々に賜物を分け与えた」(エペソ四・八)。古代の戦争では、流血の野から帰還した征服者は、鎖につながれた捕虜の中で最も著名な者を引き連れていた。数万の捕虜を捕らえていた敗軍の将や高官たちは、勝者が戦場から帰還する時、今や勝者の戦車に鎖でつながれる。そのように、イエスは暗闇の軍勢の六大指導者をその戦車の車輪あるいは傍らに鎖でつないで高きところに帰還された。この世、肉、悪魔はその片側に、死、地獄、墓は反対側にあって、この大指導者たちの捕虜たちがみな列をなして後に続いたのである、

 何という帰郷をわれわれはすることになることか!悪魔は永遠に底なし穴の中に閉じ込められる。この世は火によって贖われ、諸元素は燃える熱で溶解する。肉は十字架につけられたままであり、地獄の門は永遠に閉ざされる。死自身は死に、墓はその勝利を失う。神ご自身がわれわれの目から涙をことごとく拭い、人々に賜物を与えて下さるのである。

 また、征服者は戦利品を前線でよく戦った者たち、戦いで助けてくれた英雄たちと分かち合うのが慣例だった。そのようにキリストは聖霊の賜物と真の教会への遺産である九つの賜物を与えて下さっただけでなく、試練の中で忠信だった者たちに最終的に報いて下さる。彼らは戦利品を永遠にキリストと分かち合う。冠をかぶり、王座に座し、王杖を振り、町々を治める。御言葉が「もし苦しむなら、われわれもまた彼と共に治めるようになる」と告げているからである。


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