Pilgrim Holiness Advocate 誌 十九巻―― 一九三九年四月十三日 ―― 十五号

「父が私を愛しておられるように、私もあなたたちを愛しました。私の愛の中に居続けなさい」(ヨハネ十五・九)。


 北極の雪と北の荒海を乗り越えた最も偉大な探検家の一人であるナンセン氏が愛する妻に別れを告げた時、夫の船に名前をつけ終えたばかりの妻は、「さあ行って下さい。神があなたを祝福して下さいますように。私はあなたを大いに愛しているからこそ、あなたを行かせるのです」と言った。何ヶ月も過ぎた。ある日のこと、鳥のつつく音と羽ばたく音が窓辺に聞こえた。妻が窓を開けると、小さな鳩が飛び込んで来た。鳩は家に着いた嬉しさのあまり、妻の手の上でくつろいだ。妻はその翼の下に、無事を告げる夫からの便りが結ばれているのを見つけた。その小さな鳩は北極の広大な雪を横切って、この孤独な婦人に甘美な知らせをもたらしたのである。その知らせは彼女の心に臨んだ――人間的観点から見て――かつてないほど甘美な知らせだった。

 まさに同じように、純白の天の鳩は広大な空間を横切り、うねりを上げる諸々の時代を突っ切って、今日、このメッセージを携えてわれわれのもとに来て下さった。上の御言葉はわれわれに対する愛の知らせだからである。

 個人的にこの知らせを鳩の翼からほどいて、それを自分の心に結びつけたらどうなるだろう?この御言葉の甘美な言葉が、あらゆる過酷な試練、試み、戦い、難局のときに、われわれと共にあるならどうなるだろう。苦難のどん底の中にある時、極めて厳しい長引く試練の中にある時、この短い御言葉の内容を思い出すことを学べたらどうなるだろう?その愛は、状況の如何によらず、あなたの心を感動・興奮させるだろう。この知らせを聞いて、この愛を感じることができれば、われわれの敵が何を言い、どう思うかは些細な事である。

 これは素晴らしい知らせである。私がこれから自然に思うのは、イエスに対する神の愛である――御父は御子を愛しておられる。私はここでとても静かに歩まなければならない。永遠の諸々の神秘にまさに直面しているからである。ここにわれわれは御父、御子、聖霊を見る。奇妙なことに一であり、さらに奇妙なことに三であって、愛情から発しうる最も真実で、最善で、純粋で、気高いすべてのものをもって、互いに愛し合っておられる。ここにわれわれは御父を見いだす。御父は御子を愛しておられ、「これは私の愛する子、私は彼を喜ぶ」という推薦の言葉を御子に授けられた。これはみな説明不可能であって、理解不能なほど神聖であることを、われわれは知らなければならない。

 この愛は親族の愛であることに注意しなければならない。これは御子に対する御父の愛であった。何度も何度も新約聖書の中に、「これは私の愛する子である。(中略)彼に聞け」といった、御子に対する神の愛の表現が現れる。われわれの狭く限られた領域においてすら、家族関係、親子の間の愛は何と甘美なことか。たとえ暗い影――過ち、誤解、思い違い――がわれわれの道に降りかかっても、それでも親族の愛情は何と甘く麗しいことか。この強い愛情が人の胸を揺り動かす遥か昔に、御子に対する御父の愛は天の宮廷の中に隠されていたのである。花嫁が花婿を愛する遥か昔に、イエスは御父と聖霊に愛されていたのである。われわれには決して理解できない愛情をもって。


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