この完全は創造に由来する完全ではない以上、それはわれわれの体や知性の完全を意味し得ない。私は確信しているが、特にこの点で神の救いを誤解した結果、深刻な誤謬が生じ、時として難破してしまうのである。完全な頭脳を持つよう要求したり約束したりしている御言葉はどこにもない。「間違いを犯さなくなるよう救われなければならない」という考えが近頃流行っている。これは真実ではない。これは知性の完全ではなく霊の完全である。聖書が教えている唯一の完全は、全く聖められて完全な愛に満たされる時に生じる心の完全である。ジョン・ウェスレーが「完全な愛の経験、すなわち全き聖めに付け加えうるのは、さらなる愛である」と述べた時、彼は正しかったのである。聖霊の賜物は常に再生に続くものであり、常に回心後のことであって、同一のものではない。聖霊を受ける時、われわれは罪から解放されて完全な愛に満たされた心を受ける。聖霊が入って来られる時、聖霊はわれわれの心を完全にして下さる。聖霊はわれわれの頭脳を大いに助けて、間違った考えや偽りの教えを正し、多くの事で間違いを犯さないよう保って下さる。また、以前は神秘的で理解が困難に思われたことをはっきりと理解できるようにして下さる。とはいうものの、聖霊はわれわれに完全な頭脳を与えて下さるわけではないし、何の間違いも犯さなくなるほどわれわれを整えて下さるわけでもない。

 悪魔は兄弟たちを訴える者である。悪魔が何よりも願っているのは、何も問題がないのにわれわれに自分自身を責めさせることである。また、何の証拠もないのに他の人々を責めさせることである。われわれの心から罪が取り除かれるとき、われわれの同意無く罪が舞い戻って来ることはありえない。罪が追放された後、燃える剣がエデンの門を守ったように、われわれが内住の罪から清められた後、聖霊が門で警護し続けて下さるので、意志の同意無しに罪が人の魂の中に再び入ることは決してできないのである。

 無意識に知らぬまに罪に落ち込むこともありうる、と思っている人々もいるようである。そんなことはまったくない。救われたあと一度でも罪に落ち込むなら、自分自身の選択で落ち込んだのであり、わざとその中に入り込んだのである。無知は罪ではない。神の御旨はわれわれに完全な心を与えることだけでなく、われわれを保護し、保持して、御自身に忠実な者に保つことである。生まれて数週間の子供が怒りの仕草を見せて、母親を打ったとする。その子に知識があれば、それは罪だっただろう。しかし、知識のないところに律法はなく、罪はありえない。血潮がすべての過ちを弁護してくれる。責任を担える年になるまで、血潮が子供のための宥めとなってくれる。その時まで、たとえ肉的な性質に満ちていたとしても、子供は咎を免れるのである。

 過ちは罪ではない。故意でない過ちにすぎないものを罪と告白するのは、あなたの経験を損ない、あなたの影響力を弱めることである。罪は神の律法を意図的に破ることである。人が罪を犯すとき、それが罪であることがその人には分かる。自分が罪を犯したことを聖霊が知らせてくれないなら、たとえ誰が私を罪に定めたとしても、私は決してそれを信じないだろう。それに関する人々の話を私は受け入れられないだろう。何かが間違っている時、聖霊はそれを私に知らせてくれる。人を統べる王は意志である。人は自分の意志にしたがって動く。誰でも御旨を行うことを願う者はその原理を知るようになる、と神は仰せられる。だから、私が御旨を行うことを願っている以上、神は咎や罪の結果から私を守って下さっているのである。だから、自分を責めることや他人の責めることに注意深くなると、私は信頼している。「神が光の中におられるように、私たちが光の中を歩むなら、私たちは互いに交わりを持ち、御子イエス・キリストの血はすべての罪から私たちを清めます」。

 神の律法を故意に破らない限り、暗闇、真の霊的暗闇はない。状況や摂理による暗闇はあるかもしれないし、人間的観点ではお先真っ暗かもしれないが、常に頭上は開いている。他に何も見えなくても、上を見上げることはできるのである。

 神の使者のことを主の御使いと思った時、ヨハネの判断は誤っていた。また、ひれ伏して神の使者を礼拝した時、彼は再び間違いを犯して誤った行いをした。使者は、「いいえ、そうしてはなりません。私は主の僕のひとりです。それだけです」と言った。


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