「さて、安息日が終わったので、マグダラのマリヤとヤコブの母マリヤとサロメとが、行ってイエスに塗るために香料を持って来た。そして週の初めの日に、早朝、日の出のころ墓に行った。そして、彼らは『誰が、わたしたちのために、墓の入口から石を転がしてくれるのでしょうか?』と話し合っていた。ところが、目を上げて見ると、石は転がしてあるのが見えた。この石は非常に大きかった。」(マルコ十六・一~四)


 十字架に付き添った敬虔で愛に満ちた婦人たちの群れが、墓に急いでいた。いま読んだ御言葉は彼らがヨセフの新しい墓に向かっていた時に話した言葉の一部である。彼らは信仰心と愛情に促されて、主のために最後の奉仕、最上の奉仕をしようとしていた。諸々の困難があることを、彼らはほとんど忘れていたように思われる。おそらく、墓に近づくまでそれらの問題を忘れていたのだろう。そこで、彼らは「誰が、わたしたちのために、石を転がしてくれるのでしょうか?」と話し合った。「この石は非常に大きかった」。この聖なる婦人たちの道には、克服できそうにない三つの問題があった。彼女たちの困難は、少なくとも、われわれの道に舞い込んでわれわれの行路を邪魔する困難を見事に描写している。

 第一に、石があり、その石は非常に大きかった。

 第二に、ヘブル語の封印がしてあった。誰があえてそれを破るだろうか?

 第三に、ローマの警備兵がそこにいた。婦人たちが愛の奉仕をするには、まずこの三者を征服しなければならなかった。

 どのクリスチャン生活にも、これらに相当する困難がある。この石は動かないが邪魔だった。そして、このように延々と続く緊張の中を通ったか弱い疲れ切った婦人たちには重すぎた。この石はわれわれの道を邪魔する不動の障害物――乗り越えられそうにないが、われわれを攻撃するものではない障害物――を見事に表している。これらの障害物は丸太や重りのようであり、不動の乗り越えられないものとしてわれわれの道に横たわっている。それは何年も変わらずに続いている状況かもしれない。われわれの道の上を覆って、決して離れ去るようには思われない黒雲のようにたれこめている苦難かもしれない。真のクリスチャンたらんとする人はみな、何らかの大きな困難、恐ろしい状況に遭遇する。そのような困難や状況は克服するのが無理なように思われるが、墓の入口から石をどけることを神は保証して下さった。だから、われわれの石のような困難は取り除いてもらえるのである。この大きな石が取り除かれた事実は確実であり、証拠である。これは信じるすべての人に次のような理解を与えてくれる。すなわち、われわれの困難がどれほど大きく、重く、長引いたとしても、どれほど執拗なものに思われたとしても、復活したキリストが触れるとき退かなければならないのである。今朝、困難に妨げられている人々を助けることを私は願っている。反対、あなたの道に横たわっている山々、制する力のない状況に屈している人々を助けることを私は願っている。神に感謝すべきことに、この石の巨大さこそ、神が問題を御手の中に収めて下さると期待すべき十分な理由なのである。困難の大きさこそ、その問題を自分でどうにかしようとしてはならない十分な理由なのである。たいていの人は大きな困難の中にある時だけ、助けを求めて神のもとに駆けつける。小さな問題は自分で何とかしようとするのである。

 あるクリスチャンの商売人が、郊外にある自分の家が火事だという電話を受けた。彼は現場に駆けつけたが、家は灰になっていた。保険期間は先週終わっていたが、家族は無事だった。彼は小さな家族を自分の周りに集めて神のもとに駆けつけ、自分の魂を神に注ぎだした。彼は落ち込んだが、神は彼を慰め、このような困難な時に彼を支えられた。しかしこの同じ人が、十時間分の給料で十二時間働いてきた疲れ切った事務員が朝に十分遅れてやって来ると、激怒して天に対して罪を犯すのである。この人はこのような小さな問題を処理できるようには思えない。小さな問題では、支えて下さる神に信頼しないのである。

 手に負えない困難を私は時々うれしく思う。大きな石のような困難を私は時々喜ぶ。なぜなら、大きな石や大きな必要があるとき、われわれは偉大なキリストを見いださざるをえないからである。われわれの困難が人の手に負えないとき、われわれは決してしくじることのない方に求める。どれほど大きくても石は転げ去る。その石の巨大さのおかげで、偉大な神が御力を示す絶好の機会となるのである。あなたのクリスチャン経験全体に渡って、あなたはこの真理を覚えておかなければならない。大きな石、われわれには処理できない不動のしつこい困難を、主に処理してもらう術を聖徒たちが知っていれば。じっとしていて神の救いを見る術を知っていれば。


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