「見よ、私はたなごころにあなたを彫り刻んだ。あなたの石垣は常にわが前にある。」(イザヤ四十九・十六)


 これが、イスラエルの「主は私を見捨ててしまった、私の神は私を忘れてしまった」という叫びに対する答であった。その時は苦悩の時、失意の時だったが、神は御声を発してこの御言葉をお告げになった。「主はヤコブのすべての住まいにまさってシオンの門を愛される」。神は無限の顧みをもって常に御民を顧みてこられた。キリストは世のためだけでなく教会のために命をお与えになった。それは、「教会を聖めて、しみやしわやそのようなものの全くない栄光の教会をご自身に迎えるためであった」。イスラエルが落胆して、「主は私を見捨ててしまった、私の神は私を忘れてしまった」と叫んだ時――今朝の御言葉「見よ、私はたなごころにあなたを彫り刻んだ。あなたの石垣は常にわが前にある」から分かるように――助けになるもの、励ましになるものが必ず与えられたのである。

 この前の節で、主は世人が知っている恒常的な惜しみない愛情、母親の愛情に注意を促された。そして次に、あなたたちに対する私の愛は最も愛情深い母親の愛情よりも大きいことを、イスラエルと全世界に教えようとされる。今朝これを信じられたらと、私はどれほど願っていることか!これがそうであることを知るようになればなるほど、どれほどこれはわれわれの心を砕くことか。この御言葉で私が最初に気づいたのは、御自分の子供の一人一人を神は個人的に知っておられることをこの御言葉は告げていることである。「あなたを」というこの言葉が私に示しているのは、神はわれわれ全員の名前をご存じであること、われわれは大衆の中に埋没していないし、いっしょくたに愛されているわけでもないということである。われわれは運命という遠い岸辺に打ち寄せる人類という大波の中に埋没しているのではなく、個々の単独の存在であり、神はわれわれ一人一人を知っておられ、愛しておられるのである。神はわれわれの名をご存じであり、われわれの髪の毛もすべて数えられていることを思い出すと、大きな慰めである。東洋の羊飼いが、多分千頭の羊でも一匹一匹の名を知っていて、名前を呼ぶだけで呼ばれた羊は頭を上げてやって来るように、主はわれわれ一人一人のことを個人的かつ個別に、別々の存在としてご存じである。われわれの場合、お互いに忘れてしまって、会ってもわからないことが時々ある。過去に甘い交わりをしたことがあっても、そんな有様である。しかし、神はわれわれのことをご存じであり、われわれのことが分からなくなることは決してない。「この人なら自分のことを知っているはずだ」と思う人と会っても、その人はあなたのことが分からないように思われることがあったとしても、主はあなたやあなたの居場所をご存じであり、あなたやあなたの声の叫びが分からなくなることは決してないことを思い出せ。どんなに暗い時でも、状況がどれほど奇怪で悪化したとしても関係ない。尊い御名に永遠に栄光あれ!主はあなたのしていること、あなたの受けている苦難をご存じである。主はあなたに耐えられるものをご存じであり、あなたに耐えられない状況が決して生じないように見守って下さる。

 サタンには大きな力があるが、制限されている。自分の力をすべて働かせることが常にできるわけではなく、自分の力の使用を制限されている。サタンはある種の制約の下にあり、あえて超えようとしないある種の境界がある。われわれの力は測られており、サタンがやって来てわれわれに敵対したとしても、その力は慎重に測られている。そのため、いかなる誘惑でも、われわれに耐えられるよう、必ず逃れの道が用意されているのである。


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