「主なる神の御霊が私の上におられる。これは主が私に油を塗って、柔和な者に福音を宣べ伝えさせ、私を遣わして心の砕かれた者を包み、捕らわれ人に自由を告げ、縛られている者に獄屋の扉が開かれたことを告げ、主が受け入れて下さる年とわれわれの神の報復の日とを告げさせ、また、すべての嘆いている者を慰めさせるためである。」(イザヤ六十一・一~二)


 この御言葉はキリストの御霊を強調しているだけでなく、その福音の御霊と、とりわけ、真にキリストに従うすべての者たちの霊についても強調している。キリストが病人を癒し、悪魔どもを追い出し、すべての人の目を開いて祝福して、ある地域で人気を博しかけていた時、弟子たちが御許にやって来て「みながあなたを探しています」と言ったところ、キリストは「立ち上がって次の町に行こう。去る時が来た」と言って、町から町へ、村から村へ、村落から村落へ進んで行かれ、ついには二年半以内に、至る所で福音を宣べ伝えつつ、ガリラヤ、サマリヤ、ユダヤの町々や村々をすべて歩き通された。「ある地域の人々が彼らを歓待して、そこにとどまってもらうことを望んだのは、そこが彼らにとって働きの地だった証拠である」と、とても多くの説教者たちが考えてきた。だが、キリストは「去る時が来た」と言われた。福音とその創始者の霊は福音化の霊であり、積極的である。過去最高の戦士であるパウロは、彼方の地域まで進んで行って、「後にあるものを忘れよう」と言った。これがキリストを突き動かしていた霊であり、どの土地でも人々がキリストのためにその働きを楽なものにすると、キリストはどこか別の村、別の町、別の都、別の国に行くことを考えられた。まぎれもなく、マルタとマリヤはイエスのためにその働きをとても楽なものにした。まぎれもなく、彼らはイエスを迎えることを喜んでいた。キリストには枕する所がなく、山で夜を過ごさなければならない時もあったが、マルタとマリヤの家では常に歓迎を受けた。にもかかわらず、キリストはそこではあまり多くの時を過ごされなかったのである。キリストは土地から土地へ、町から町へと旅をされた。御父の働きに携わっておられた。われわれにとって、自分の友人と一緒に過ごすのは楽である。見知らぬ人々の間で寝起きして行き来するのは、常に楽なわけではない。近頃見受けられる傾向は、安楽に過ごす傾向、自分を愛してくれる人々と過ごす傾向である。しかし、福音の霊は勇猛果敢であり、したがって、福音化するか結晶化するか石化せずにはいられない。主の霊を持つ人々は、永遠に他の人のことを思い続ける。別の村、別の村落、別のあずま家、心砕けた別の人、破綻した惨めな生活を送っている別の人のことを思い続ける。イエスの御霊を得る時、人類を祝福してこの「良きおとずれ」の輝かしい福音を広めない限り、われわれはどこにいたとしても決して満足できなくなる。

 愛する人よ、今朝思い出そうではないか。一緒に集まって祝い、互いに助け合うのに適した時がある一方で、まもなく散らされる時がやって来て、われわれは出かけなければならないだろう。彼方の領域に入って行って、この偉大な知らせをもたらすことを主が望んでおられる人々を見つけ出さなければならないだろう。ペンテコステは結び合わせる性格を帯びているだけでなく、散らす性格をも常に帯びている。とりわけ、迫害によってである。初代教会が聖霊を受けた時、人々はすぐに迫害を受けて、至る所に追いやられた。そして迫害の下で、勇猛果敢な精神の持ち主たちは国境を越え、古代のイギリスやドイツに押し入って、われわれの先祖たちに福音を与えてくれたのである。そのおかげで今朝われわれは、異教国のように人の命をいけにえにする代わりに、この幕屋の中にいる。これは誰かが迫害を受けて国境を越え、彼方の領域に押し入ったおかげであり、誰かが故郷を離れて親しい愛する者たちを後に残したおかげである。そのおかげで今日、われわれは享受する特権を持っているのである。われわれの祖先たちは偶像崇拝者だっただけでなく、礼拝の時に人の血を流すこともあったのである。


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