四、死と甦りの奥義

 別府べっぷに於いて遺言せられたうちにも、私が今日まで誤解や迫害を受けて来たことが何のためであったか、この事が分かるようにそのあかしを立てて行ってくれと申された。先生の生涯は踏まれ、蹴られて、そのうちに十字架を負うて忍び通して終わりとなった。之は必ず神が明らかになして報い給う日が来る、必ず多く実を結ばせ給う日が来る。主イエスはそのはんを垂れていますのである。

 その真理を味わい、その意志をまっとうし得んために先生の説教の一節をここに挙げ置くことにした。

『誠にまことに汝等に告げん一粒の麦もし地に落ちて死なずばただ一つにて在らんもし死なば多くの実を結ぶべしその生命いのちを惜しむものは之をうしない其の生命いのちを惜しまざる者は之を保ちて永世かぎりなきいのちに至るべし人もし我に仕えんとせば我に従うべし我に仕える者は我が居る所におらん人もし我に仕えれば我が父は之を貴ぶべし』(ヨハネ十二・二十四~二十六)。


 我々は本当に一粒の麦として選ばれたのである。種そのものが如何どうするのでない、蒔かれた所に落ちてさえればいのである。小さくてもいた所に蒔かれんとするから難しくなる。蒔いた上から土をかけられ、見てもくれない。事実死んで埋められ、一度ひとたび失われてしまって、誰一人知っても見てもくれないのに、そこから芽が出て生長し花が咲きを結ぶに至る。

 又種のうち艶色みばえいものはない。果実いものほど艶色みばえがない。土をかけられ踏みつけられるが当然なのに、い所に蒔いてくれんか、少しは頭を出して置いてくれと言う。頭を出して置けば枯れてしまう、地に落ちるに艶色みばえい種にならんとする、間違いも甚だしい。種は艶色みばえがないのが本当である。

 この種のうちには驚くべき材木があり、林檎りんごなしがある。霊眼の開けているものは種を見て侮りはしない。目が開けないものは分からない。我々には朽ちざる永遠保つところの神の生命いのちの種が蒔かれておる。アレがクリスチャンになったのかと馬鹿にされる。馬鹿になって死んだ状態におる時に、芽が出て花が咲き、香りのあるとなる。そうすれば、あんなになりたい…霊のを食うて、次第に信者が出来ることになる。されば種は蒔かれた所に、ヂッとしておることが大切である。種がいのだから、もっといところに蒔いてくれと言うから事が難しくなる。骨を折らんとするからいけない。

 主は天から暗黒の世に馬槽うまぶねの中に蒔かれ、世から侮られ、捨てられ、遂に十字架に埋められ下さった。そして三日目に甦り、ペンテコステには大変な芽が出た。五十日目にアレだけが出来た。遂には世界を圧倒する福音が伝わった。蒔かれた所にヂッとしているのを嫌うものがあるが踏み付けられるから芽が出るのである。ダカラ踏み付けらるる時に喜ぶべきである。

 二十五、六、『その生命いのちを惜しむものは之をうしない其の生命いのちを惜しまざる者は之を保ちて永世かぎりなきいのちに至るべし人もし我に仕えんとせば我に従うべし我に仕える者は我が居る所におらん人もし我に仕えれば我が父は之を貴ぶべし』我々地上に幾分生命いのちを残して置けば芽の出る時は来ない。全く世から失われた其の時…ドンな位置、ドンな所に置かれ様が、蒔かれた所、暗い所、苦しい事があっても、辛抱している、事実死ぬる時、さかえが顕れる。『人もし我に仕えんとせば我に従うべし』従う事と働く事とは違う。主は十字架まで一言も言わず、踏まれ、嘲られ、殺されつつ文句を言いなさらなかったのである。ドンな位置ドンな境遇でも黙って通る其の時に、芽が出るのである。


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