この国の聖潔の民を止めることはできない。彼らは至る所で命をかけている。何もしないでいるよりは、むしろ死ぬことを望んでいるからである。何もしないよりは、むしろ宣べ伝えることを望んでいるからである。彼らはこの世で安楽な時を過ごすよりも、むしろ神の御子と共に苦しむことを望んでいる。この世が差し出すものをすべて得ることよりも、むしろ自分に臨む非難にあずかることを望んでいる。この罪深い時代に安楽な時を過ごしている人々は、裁きのときに辛い時を迎えるだろう。この世が地獄に落ちつつあるのに何もしないで座っているなら、かの日狼狽に満たされるだろう。あなたが良しとしてくれるなら、私は今、辛い時を迎えたいのである。今、消耗したいのである。力があるうちに、行って神に仕えたいのである。割れるような頭痛がする時に、宣べ伝えたいのである。だが、決して安楽に座り込むことはしたくない。決して自己憐憫に耽りたくない。決して自分を憐れんだりしたくない。「自分は辛い時を迎えている」等と決して早合点したくない。「後方に下がってもいいですか?」等と決して求めたくない。「私を前線に遣わしてそこにとどまらせて下さい」と私は神に求めている。愛する人よ、前線にいかなる勝利、成功、輝かしい征服があるのか知ってさえいれば、われわれは全員前線に行くことを望んだであろう。

 キューバにおける最近の戦争で戦ったラフ・ライダー達に所属していたトマスは、致命傷を負って毛布の上に横たわっていた。彼の仲間たちはその毛布を持って、彼を向こうの日陰に移そうとした。すると、彼は立ち上がってこう言ったのである、「自分を前線に運ぼうとしているんですよね?前線に運んで下さい。連中は私の隊長を殺した。前線に運んで下さい!」。そこで、仲間たちはいくつもの岩石を越え、茨を突き進んで彼を運んだ。通った後には血の筋が残されたが、彼は「前線に向かえ!」と叫び、遂に意識を失って死亡したのだった。

 「スクリブナー・マガジン」でこの記事を読んだ時、私は言った。「一介のラフ・ライダーが祖国のためにこのような行為をすることができたからには、今はクリスチャンたちが自分の痛みや試練を忘れる時である。今は自己憐憫をやめる時である。今は自分の苦しさを忘れて、『前線に向かえ!』と叫び、敵を塵の中に踏みにじって、敵の土塁のてっぺんに血に染まった神の御子の旗を立てる時である」と。神は私の中から臆病な血を最後の一滴まで取り去って下さった、と私は謹んで信じている。もし臆病な血が一滴でも残っているのが分かれば、私は血管を切り開いてその血を取り出す。いつまでたってもへつらい、駄々をこね、お世辞を言い、人々に迎合し、諸教会に迎合し、牧師たちに迎合し、長老たちや司祭たちに迎合し、金持ちや背高帽をかぶった人や白ネクタイをした人に迎合しているとは、なんたることか!神がわれわれを憐れんで下さいますように。諸君、教会やこの世がわれわれに与えうるあらゆる賛辞よりも、神の御子の微笑みのために尽くすようになる時が来るだろう。

 「あなたは人々にわれわれの頭の上を乗り越えさせられた。われわれは火の中、水の中を通った。しかし、あなたはわれわれを豊かな所、潤った所に導き出された」。締めくくりに注目したいのは、この御言葉が述べている二つの要素は自然界の中で最も恐ろしくて破壊的な二つの要素――火と水――であるということである。神は人を火の中、水の中でもくぐり抜けさせることができる。そうである以上、神は地獄の門の此岸のどこでもわれわれを保つことができる。われわれは勇敢に神を信じる。何が来ようと関係ない。火や水の及ぼす影響はただ、われわれを潤った所に導き出すことだけである。その所で、かつて以上にわれわれは喜ぶのである。

 しかし、聖霊によるバプテスマによって全く聖められない限り、決してこの経験を知ることはできない。なぜなら、これだけがわれわれを肉的な性質から解放して、全能なる神に対して絶対的に忠実な者にするからである。だから、今晩話したようなクリスチャンになりたいなら、この第二の祝福、このペンテコステ、聖霊によるこのバプテスマを求めて見いださなければならない。臆病者になりたくない人、臆病さから徹底的に解放されたい人、「十字架の兵士と小羊に従う者」になりたい人、神の御子のために生死をかける覚悟のある忠誠心のあつい人になりたい人が、今晩この聴衆の中に大勢いると私は信じる。この幸いなバプテスマを受けるなら、われわれはみなこのような人になれる。いかなる代価を払っても「勇敢に突き進む決意」を持って歩む覚悟のある人は、今晩ここに何人いるだろうか?

オハイオ州シンシナティでの説教、一八九八年十一月三十日


「天からの火」完


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