05 | 05 |
2018 |
ローマのクレメンス(三〇~九六頃)
ローマの監督。三位一体、キリストの神性、恵みによる義認、教会の一体性の教理に対して明確に証しした。
イグナチウス(三五~一〇七頃)
アンテオケの監督。七つの手紙を通して初期の教会に影響を与えた。ローマに護送されて殉教。迫害者たちに「私を獣どもに与えよ。私が神にあずかる者となるために」と告げた。
ポリュカルポス(六九~一五五頃)
使徒ヨハネの下で指導を受け、後にスミルナの監督となる。書き物の中で聖書の御言葉をたびたび引用した。グノーシス主義的なマルキオンの異端に対して戦い、マルキオンのことを「サタンの長子」と呼んだ。八六歳の老齢で殉教。
エイレナイオス(一三〇~二〇二頃)
ポリュカルポスの弟子でリヨンの監督。異端反駁を執筆して、グノーシス主義や他の異端に対して信仰を擁護した。キリストは最後のアダムであり、この御方にあって最初のアダムが失ったものが回復されるだけでなく、人に対する神の御旨も成就される、と告白した。神の救いによる人の神化の教えを立証した。
ヒッポリュトス(一六〇~二三五頃)
エイレナイオスの生徒で著名な護教論者。「全異端反駁論」でサベリウスの異端的見解に対して精力的に反駁した。彼のもう一つの著書「使徒的伝統」では純粋な信仰と使徒の教えを保とうと努めた。
テルトゥリアヌス(一六〇~二二五頃)
アフリカ人の教会教父。有名な護教論者で、その教えはエイレナイオスに由来している。「プラクセアス反駁」を執筆。三位一体の神について、本質は一つだがパースンは三つ、という教えのために論じた。また、キリストの神性と人性を区別し、これが後にニケア信条の形成に影響を及ぼした。グノーシス主義(マルキオンの教理)と仮現説に対して反駁した。ローマ政府の前でキリスト教信仰を擁護した。「殉教者の血は教会の種」という言葉が有名。
パンタイノス(一二〇~一九〇頃)
アレキサンドリア学派の創設者にして教導学院長。
オリゲネス(一八五~二五四頃)
エジプトに生まれる。クレメンスの後を継いでアレキサンドリアの教導学院長になり、膨大な著作を著した。最も有名な著書は旧約聖書の六つのテキスト、すなわち、ヘブライ語、ヘブライ語(ギリシア語音訳)、ギリシア語(七十人訳、シュンマコス、アキュラ、テオドティオン)を対照した書である注解付きの「ヘキサプラ」。彼は教会の天的性質――教会は自分の生活の中で永遠の福音の力を経験したすべての人からなること――を見た。また「祈りについて」では、祈りは嘆願ではなく神の命にあずかることであると論じた。
アタナシオス(二九六~三七三頃)
三二五年のニケア信条の制定を助けた。後にアレキサンドリアの監督になる。アリウス派の異端に反駁してキリストの神性を立証した。著作「神の言(ロゴス)の受肉について」で、「神が人となったのは、人が神になるためであった」と明確に述べ、これが東方教会の根本教理の一つである神化の基礎となった。
カッパドキア三教父
三位一体について「本質(ウーシア)は一つ、パースン(ヒュポスタシス)は三つ」と説明した。
大バシレイオス(三二九~三七九頃)
カイサリアの監督。隠遁生活の影響を受けて、質素な生活を擁護した。オリゲネスの教えに秀でており、アリウス主義に反対した。ニケア信条の支持者。
ニュッサのグレゴリオス(三三〇~三九〇頃)
大バシレイオスの弟であり、ニュッサの監督。三位一体のウーシア(本質)とヒュポスタシス(パースン)を最初に区別した人の一人。
ナジアンゾスのグレゴリオス(三三〇~三九四頃)
コンスタンチノープルの監督で雄弁な演説家。アリウス派に対する彼の有名な五つの「神学演説」は大いに有意義である。
アンブロシウス(三三七~三九七頃)
ミラノの監督でアウグスチヌスに洗礼を授けた。教会は国家から独立しているべきであると主張し、「皇帝は教会の中にあり、教会の上にはない」と宣言した。
ヒエロニムス(三四〇~四一九頃)
イタリアに生まれ、後にパレスチナに移る。全生涯を隠遁生活に捧げ、禁欲生活を送るよう信者たちに勧めた。二十年を費やして聖書をラテン語訳――ウルガタ訳――に翻訳。旧新約聖書に関する注解書と教会史に関する書を執筆した。
クリソストム(三四六~四〇七頃)
コンスタンチノープルの監督。クリスチャンの歩みについて強調した。その説教はほとんどが聖書の解釈についてであり、実行面を力説した。その書の中で隠遁生活と純潔を守ることを称賛した。黒海沿岸に移送される途中、炎天下や雨の日も歩かせ続けられるという過酷な処遇により殉教。
アウグスチヌス(三五四~四三〇)
北アフリカのヒッポの監督。教会の合一に熱心で、ペラギウス派の異端に反駁した。「告白」「神の都」「三位一体について」等を執筆。特に「三位一体について」では三位一体の真理について詳述し、西方のキリスト教神学に多大な影響を与えた。
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