三.満足の罠

 これは後の時代のイスラエル人の歴史の中に示されている。彼らは自分たちが勝利者であること、そして自分たちの敵が被征服者であることに、あまりにも慣れきってしまった。そのため、彼らは気晴らしを見つけ、絶え間ない戦いをやめて、神の命令に従って良き地を部族間で分配した。しかしこうしたすべてのことにより――それは信仰の壮大な行為であり、神に是認されていたのだが――彼らは油断して停滞と優柔不断という罪の中に陥った。霊の中で始まったのに、肉の中で終わったのである。というのは、所有と繁栄の意識によって彼らが征服されてしまったのを、われわれは見い出すからである。彼らは完全な所有を実現することよりも、その権利で満足してしまった。神の諸々の約束をことごとく実現するために出て行かないことに対する、彼らの現状に甘んじた言い訳は、恥ずべき子供じみたものだった。「カナン人は」と彼らは言った。「鉄の戦車を持っており、山々には要塞があります。彼らはこの地にとどまるでしょう!」。それでイスラエルの子らは間もなく、敵の存在に耐えて我慢すること、その人間的必然の中で黙従することを学んだ。根絶する代わりに、贈り物を受け取ることによってである。ヨシュアの英雄的抗議にもかかわらず、これがすべて起きたのである。彼は叫んだ、「あなたたちはいつまでぐずぐずしていて、あなたたちの父祖の神である主があなたたちに与えて下さった地を所有しに行かないのか?」。彼の預言的言葉がどんな悲惨な成就を迎えたのかは、良く知られている。彼らが大目に見た敵たちは彼らの脇腹のトゲとなり、彼らを背教に招き、神の懲罰を招いたのである。

 上述したことはみな、クリスチャン生活と奉仕において最も進んでいる人々の何人かの事例に、霊的に適用することができるのは明らかである。そのような人々は特に満足の罠に陥りやすい。神によって定められた分野での成功に長く慣れ親しんだ後、彼らは徐々に、無意識ではあるが、奉仕の小さな点に敵が存在するのを許すことに慣れてしまう。部分的征服と神のための自分の働きで一定の成功を収めたことで、自己満足がつのってゆく。そして彼らは、四方を征服する試みに関して、また継続的勝利の代価である永遠の用心を維持することに関して、目に見えて怠慢かつ怠惰になる。彼らは自分自身の弱さや生来の欠点により、霊的カナン人、「主権者たち、権力者たち、この暗闇の世の支配者たち」が、ここかしこに、避難用の要塞を保つのを許す。彼らは勇敢に立ち向かう代わりに、敵の鉄の戦車――それを敵は必死の抵抗のために取っておいたのである――を避け、敵の力を抑えることで自分の良心を満足させる。これはすべて嘆かわしいことに、多くのクリスチャン戦士たちが遥かに多く経験しているのではないだろうか?神は彼らに奉仕と報いという部族的所有を割り当てて、彼ら自身も表向きはその中に入ったのだが、それをすべて敵から奪うことに失敗しているのである。そして今日のイスラエルは、これらの霊的カナン人、暗闇の悪の勢力が、多くのラオデキヤ的方法、過ち、背教によって、何という脇腹のトゲになってしまったのかを、痛ましいほど分かっているのではないだろうか?

 まとめると、この章の要点として、少なくとも二つの点を挙げることができる。第一に、クリスチャンが自分の敵――この世、肉、悪魔――から逃れることを意図するどの段階においても御座の生活の必要性は明らかである一方で、クリスチャンがそれらの敵の征服に取りかからない限り、御座の生活を完全に理解することはできないのである。第二に、征服を経験するにあたっては、その必要性が絶えずますます不可欠になって行くのである……。


オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館
オリーブ園クリスチャン古典ライブラリー 本館へ

プロフィール
カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
全記事表示リンク
検索フォーム
個人のブログに関するリンク集
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

電子書籍
Glorious Secret
ジェシー・ペン-ルイス
「栄光の奥義」


The Cross of Christ
アンドリュー・マーレー
「キリストの十字架」


ランキングサイト
にほんブログ村 哲学・思想ブログ キリスト教へ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 聖書・聖句へ

人気ブログランキングへ ブログランキング

ブログのまどランキングへ ブログ王へ

ブログランキング【くつろぐ】

QRコード
QR
カウンター

Page Top
Powered by FC2 Blog | | Template Design by スタンダード・デザインラボ