四.御座の力を行使する時

 御座の力を行使することが必要な時は、天上に出入りしている主権者たち、権力者たち、暗闇の世の支配者たち、邪悪な霊の軍勢が継続的に重大な襲撃をしかける時である……。彼らのこの努力の狙いは、われわれに与えられている、彼らに優る力と栄光の地位を忘れるよう、われわれを誘惑することに集中している。彼らはわれわれを平穏な御座の高みから、それよりも低い天上の領域に引きずり降ろそうとしている。その領域に彼らは出入りしており、そこではわれわれに対して有利に戦うことができるからである。それゆえ、エペソ六章で使徒パウロは、「主の中で、またその力の中で強くなりなさい」とわれわれに命じている。また、神の全ての武具を身に付けなさい、と命じている。腰には真理の帯を締め、義の胸当てを身にまとい、救いの兜をかぶり、足には平和の福音の備えを履き、信仰の盾を持ち、御霊の剣をふるえ、と命じている。しかし、この勧めの前にある「主の中で、またその力の中で強くなりなさい」という忠告に留意しない限り、これらの武具はみな、この熾烈な戦いの中では、われわれにとって何の役にも立たない。つまり、われわれの御座の力をわれわれが直接行使しない限り、何の役にも立たないのである。さもないと、たとえわれわれが自分の武具を、それらに関するわれわれの教理的・経験的知識により、必要に応じて立派に装備したとしても、攻守いずれかの時にいつか、悲しむべきことにわれわれは最悪の結果を迎えるだろう。

 この戦いにおける失敗の二つの理由を、しばしばクリスチャンの経験は告げる。敵を無視することと、敵を侮ることである。悲しむべきことに、ペテロはこの両方の理由を経験した。それで彼は、「慎んで、目を覚ましていなさい。あなたたちの敵である悪魔が、食い尽くすものを求めて歩き回っているからです。悪魔に抵抗し、信仰の中に堅く立ちなさい」と記して、われわれに警告している。パウロも同じように、敵に対して用心し続ける必要性を感じた。というのは、彼はコリント人たちに、「それは私たちがサタンに付け込まれないためです。私たちは彼の策略を知らないわけではないからです」と書き送っているからである。

 無知は安全と同義語ではない。また、守るときに敵の力を無視することは、襲撃の時を侮ることである。「自分たちは霊的に進んでいるので、誘惑に陥らないために目を覚まして祈る必要はない」と考えている人もまた、愚かで向こう見ずだと判断せざるをえない。実に、極めて狡猾な巧妙さに支えられた極めて熾烈な悪魔的攻撃を、サタンは最も霊的な心の持ち主のために用意しているのである。そして、最も見識があって霊的な信者たちの一人が、「自分は誘惑の領域の向こうに達しました。少なくとも、屈服する恐れのある領域の向こうに達しました」とあえて述べる時、それは最も危険なサタンの攻撃の一つが成功を収めたことを示すものとして、われわれに衝撃を与える。いったいこのような欺きは、光の天使を装ったサタンが放つリン光の輝きによって、彼らの目が盲目にされたことの証拠以外の何だというのか?敵はただ、彼らが親しんできた衣や言葉を捨てたにすぎない。それだけのことである!彼はそれまでと同じ、敵意に満ちた、嘘つきの敵である。そして今や、彼に対してさらに守りを固めなければならない。彼の手腕が最大に発揮されるのは、人々が自分のことを侮ったり忘れたりするように仕向けることに成功する時である。理論や実践における極めて致命的な逸脱や誤謬の幾つかにより、過去、教会は大きな損害を受けてきたし、その影響をキリスト教は依然として被っている。これらの逸脱や誤謬の発端は、ある人々の推論や思惑であった。彼らは誠実であり、霊的だったのだが、もっともらしい手段により、敵に誤導されたのである。そして、今日の宗教経験の潮流に流されている最も悲しむべき難破者の中には、申し分のない動機を持ちながら、誤りを教える狂信的な教師たちがいる。

 しかしもしかすると、われわれに危機が臨むのは、敵について無知であるためや、敵を侮っているためではなく、キリストと共にわれわれが占めている、敵に優る天的地位に満足して一種の受動性に陥っているためかもしれない。しかしわれわれは、キリストと共に天上で占めている自分の地位だけでなく、サタンとの戦いの時に、自分の信仰を実際に活用してキリストに協力する必要があることも理解しなければならない。敵の襲撃は、キリストがわれわれを救って下さる好機であり、われわれが信仰を活用して協力することにより、彼はわれわれを救って下さる。われわれの執り成しは、キリストの執り成しに力を与えるので、キリストの執り成しを通して勝利する。かしらはからだの肢体たちとの提携を求めておられる。かしらが効率的に働くには、肢体たちが協力して効率的に働くことが必要である。


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