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 さて、ヨハネ六・二七に注目すべき句があります。そこで主は、「朽ちる食物のためではなく、永遠の命に至る永在する食物のために働きなさい。これこそ、人の子があなたたちに与えるものです。それは彼に、父が証印を押されたからです」と述べておられます。主がこの御言葉を語った人々は、主が言わんとされたことをよく知っていました。過ぎ越しのために小羊なら何でも食べてよいわけではないことを、彼らは知っていました。それは傷の無いものでなければなりませんでした。次に、小羊はみな宮に連れてきて、全く完全かどうか祭司たちに検査してもらわなければなりませんでした。そして、それが要求される条件に適っているなら、祭司たちはその小羊に宮の証印を押しました。そして、小羊は屠られました。その証印の意味をすべての人が知っていました。ですから、主イエスはこのおなじみの慣習を取り上げて、それを御自身に関連付けて、「彼に、父が証印を押されたからです」と言われたのです。キリストは、御父が「全く完全である」と宣言された者として、御自分の民に彼御自身を与えようとしていました。彼は彼らの食物となるために彼御自身を与えようとしていました。それは彼らが彼によって生き、彼が御父に対して従順だったように彼に対して従順に歩むためでした。

 私たちも私たちの主イエスを信じる信仰によって「証印を押され」ます。使徒パウロはエペソ人に、彼らは約束の御霊によって「証印を押されて」いる、と書き送っています。神は彼らが御自身のものであることを御存知です。私たちは彼のものです。私たちが御父の証印を受けているのは、彼が私たちを選ばれたこと、私たちは愛されている方にあって受け入れられていること、彼は私たちを拒まれなかったことの保証としてです。私たちはキリストにあって完全な者として受け入れられています。キリストとの完全な交わりは、彼への徹底的明け渡し、個人的なものや自己の意志をすべて放棄すること以外の何ものでもありません。それは私たちが「私はキリストと共に十字架に付けられています。キリストが私の内に生きておられます」と真に言えるようになるためです。


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 この霊の糧は私たちの命を維持するだけでなく、私たちの命を増し加えます。それは私たちをキリストの豊かさの中に導きつつあります。私たちはこの糧を摂ることによって成長します。そして、命は従順によって増し加わります。ピリピ二章は、主イエスは御父に徹底的に従われた、と私たちに告げています。「それゆえまた神は彼を高く上げて、あらゆる名に優る名を彼に与えられました」。これは従順から生じた豊かさです。新たな従順の行いのたびに、私たちはキリストのさらに大きな豊かさの中に、霊的拡大の中に導かれます。しかし、不従順は制限をもたらし、命の流れを差し止めてしまいます。

 ですから、霊の食物とは、あらゆることで彼に対して従順になって、彼のみこころを行うことです。霊の養いは、キリストの復活における私たちの彼との合一と関係しています。それは、死と復活におけるキリストに基づいて生きることです。ヨハネ六章の背景には過ぎ越しがあります。それが霊的に意味するものとの関連で、主イエスは大群衆を養われました。ユダヤ人たちは過ぎ越しの小羊を食べようとしていました。しかしその出来事の前に、ここに飢えた群衆がいます。そして、彼――神の小羊――は「私は命のパンです」と述べてパンで彼らを養われます。彼はこれを過ぎ越し、十字架、屠られた小羊と結び付けて、事実上、「私はあなたたちのものです。私の死と復活の中で、すなわち私の中で、あなたたちは命を得ます」と言われました。それは私たちに分与されるキリストです。


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 さて、食物を摂るのは私たちの命を維持するためです。それは私たちの必要を満たし、私たちの発達・成長の役に立ちます。しかし、これはみな神のみこころと関係しています。神のみこころを行うことは、生きるために食物を摂ることと似ています。私たちが神のみこころを行う時、私たちは私たちの命を維持するものを摂っているのです。私たちの必要は満たされます。霊的成長が維持されます。主イエスは御自身について、「私は父のゆえに生きます」「私を食べる者は私のゆえに生きます」と言われました。主イエスは御父との合一のおかげで生きました。そして、私たちは御子との私たちの合一のおかげで生きます。

 この合一に必要不可欠なものは従順です。サタンは主――最後のアダム――の命を損なうためにやって来ました。それは最初のアダムを損なうのに成功した方法によってであり、神に対して不従順にならせることによってでした。しかし、主イエスは神の御言葉に訴えることによって悪魔を対処されました。三回彼は悪魔に「こう記されています」と言われました。これによって彼の命は維持され、暗闇と死の君は征服されました。

 啓示された神のみこころに対する従順は死からの解放を意味します。これが、命の維持という句で私たちが言わんとしていることです。神の御子は全生涯この姿勢を保たれました。死に至るまで、実に十字架の死に至るまで従順だったので、彼は死を征服されました。それゆえ、彼は永遠に生きます。ですから、命の問題においては、すべてが従順と関係しています。神に対して従順でなくなるやいなや、私たちは自分の内にある主の命を停止させて、それが前進するのを不可能にしてしまいます。従順は命です。


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 「神のパンとは、天から下って来て、世の人に命を与えるものです。(中略)私が天から下って来たのは、自分の意志を行うためではなく、私を遣わされた方のみこころを行うためです。(中略)私の父のみこころは、子を見て彼を信じるすべての者が永遠の命を持つことです。私の肉はまことの食物であり、私の血はまことの飲み物です」ヨハ六・二八~三四、三八、四〇、五三~五八。

 「誰でも彼のみこころを行おうとする者は、その教えについて、それが神からのものか、私が自分から語っているのかを知ります」ヨハ七・一七。

 「私の食物とは、私を遣わされた方のみこころを行い、彼のみわざを成し遂げることです」ヨハ四・三一~三四。

 私たちの主イエスのこの発言は、三つのことをほのめかしています。

 第一に、主イエスには隠れた力の源がありました。「私には、あなたたちの知らない食物があります」。

 第二に、神のみこころと命との間にはある関係がありました。この時、主イエスは空腹でとても弱っていたことを、私たちは覚えています。彼は旅の疲れで井戸のところに座りました。弟子たちが町で食物を買って戻ってくると、彼らは彼が大いに回復していることを見い出しました。「誰かが彼に何かの食物を持ってきたのだ」と彼らは思いました。しかし、彼の命が新たにされたのは御父のみこころを行ったためであることを、主は彼らに説明されました。これは、神の御心を行うことと「命」との間の緊密な関係を示しています。

 第三に、この間にある関係は、神の御旨とその成就でした。「私の食物とは、私を遣わされた方のみこころを行い、彼のみわざを成し遂げることです」。御父のみこころは神の御旨を意味し、主イエスは「私はこの御旨と関係がある」と述べておられます。この神の御旨を成し遂げることに、彼は地の物事よりも大いなる満足を覚えました。彼は神のみこころを行うことの中に彼の命を見い出された、と言えます。

 ですから、私たちにとって重要な一つの要素は、従順は神の豊かさへの道であるということです。主イエスの場合、そうでした。彼は「なぜなら、私の父のみこころは、子を見て彼を信じるすべての者が永遠の命を持つことです」と言われましたが、これは、キリストとの合一は神のみこころによると私たちにとって命を意味することを、明らかに示しているからです。ですから、神の御心は御子との命の関係と一つの中にあります。


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 最後に、御霊にあるこの命は漸進的な成長するものであることを忘れないようにしましょう。最初、私たちはこれを全く知りません。私たちは学ばなければなりませんし、学ぶ際、私たちはしばしば間違いを犯します。しかし、私たちが主に対して忠信で従順なとき、私たちは一歩ずつ導かれて、どのように御霊の中を歩むのかを学びます。私たちは経験によって学ばなければなりません。しかし、私たちが主イエスを知れば知るほど、彼の豊かな栄光の全き救い――それは私たちのためです――という事実の中に入れば入るほど、この命は私たちの中でますます成長します。そして、私たちは光の中を歩むようになり、したがって神の子らの自由の中を歩むようになります。

 御霊の中を歩むこの歩みは、私たちの生活の背景でとてもすばらしいものとなる可能性を秘めています。なぜなら、私たちは私たちの内におられる命の御霊――命におけるキリストとのあの隠れた関係と交わり――をますます知るようになるからです。


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